月曜、火曜とオレンジ支社へ出張でした。月曜の昼には、先週解雇された二人の部下を呼び出してのお別れランチ。同僚8人が参加して、賑やかな会になりました。この日で最後になる一人が、笑顔でこんなコメントを漏らします。
「こうなってみて、実はほっとしてるの。もう毎日プレッシャーを感じなくてすむんだなあって。」
火曜日の朝、彼女と仲良しだった部下の一人と会いました。体調を崩して前日休んでいたため、送別ランチは欠席していました。
「昨日は全身がだるくて、どうしても起きられなかったの。もう何もかも嫌になって。」
涙で目を真っ赤にして、こんなコメントを絞り出しました。
「クビになるなら私でよかったのに。」
言葉を失う私。
「まとまった休みを取った方がいい。このまま頑張り続けたら、身体を壊しちゃうよ。」
そんな折、同僚ジャックがやってきます。
「上下水道部門がビジネスを拡大しようとしてるんだ。知っての通り、この業界のクライアントはPMPの有資格者を欲しがってるだろ?何としても、この部門のPM達にPMPを取らせなきゃいけない。何年か前にシンスケがやってたPMP試験対策講座、復活出来ないかな?」
その一時間後、ボスのクリスピンがやってきます。かつての大ボスで、今や北米中部エリアのトップであるジョエルに電話してくれ、と言うのです。
「デンバー支社に飛んで、プロジェクトマネジメント・プログラムのトレーニングをして欲しいそうだ。」
おお、いきなり需要が急増してるぞ!
その一時間後、南カリフォルニア地区の建築部門を統括するリチャードから相談を受けました。
「Justice Group(ジャスティス・グループ)を助けてくれないか?」
「え?ジャスティス・グループ?何のことです?」
ジャスティスと言えば、正義でしょ。正義の味方の集団?
「裁判所や刑務所の建設を専門にしているグループのことだよ。月例レビューで毎回ボロボロに叩かれているにも拘わらず、状況は悪化の一途だ。PMが忙しすぎて手が回らないんだよ。君にサポートしてもらえれば助かるんだけど…。」
後で辞書を調べたら、ジャスティスというのは「正義」の他に「司法」という意味もあるのですね。つまり、「司法界のクライアントから受注したプロジェクトを担当するグループ」を指してJustice
Group と呼んでいるのです。
しかし、こうして訳が分かってもなお、スーパーヒーロー達が大勢で力を合わせて悪と戦っているヴィジュアルイメージが脳裏から消えません。強大な敵に押しまくられ、さしものヒーロー達も息絶え絶え。そこへ、はるか彼方から究極のヒーロー(わたし)が光速で飛んで来て、敵の大軍団を一瞬にして殲滅する。暗雲は消え、世界に再び平和が訪れる。
よ~し、元気が出てきたぞ!
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