オレンジ支社に出向いた際、久しぶりにコンストラクション・マネジャーのトムに遭遇しました。
「久しぶり!どうしてた?」
という私の問いに、疲れた笑顔で彼がこう答えました。
“Working
like a dog!”
「犬のように働いてるよ!」
この「犬のように」という表現、頻繁に耳にします。懸命に働いていることを意味する表現であることは大体分かるのですが、何故イヌなの?という疑問が以前から心に引っかかっていました。「雪やこんこん」で始まる歌の中に出てくる「犬は喜び庭駆け回り」という歌詞とか、名作「フランダースの犬」からは、彼らがしゃかりきに働くイメージが湧かないのですね。
さっそく同僚シャノンに尋ねます。
「あら、確かにそうね。どうしてかしら?犬ぞりの犬から来てるのかも。」
別の同僚ダイアナは、
「全然分かんない。確かになんで犬なのかしら。馬の方がしっくり来るわよね。」
と降参です。
あとで調べてみたところ、これは羊の群れを護る番犬が起源らしく、彼らが早朝から夕刻まで休みなしに働くところから、「犬のように」と表現され始めたとのこと。なるほど、それなら分かる。
サンディエゴ支社に戻って複数の同僚に確認したところ、これは非常に良く使う表現との話でした。ふと、この時聞いた相手が全員男性だったことに気付き、同僚サラにも尋ねてみることにしました。女性が「犬のように働いてる」と発言している場面に出くわしたことないし。
「うちの犬、私が止めてあげないと無茶するわよ。炎天下に長時間駆け回ったりね。自分で体力の限界が分からないみたい。だからその表現、すごく良く分かるわ。」
「君自身はI'm
working like a dog. って表現、普通に使う?それとも単純にI'm
working hard. って言う?」
すると彼女は急にいたずらっぽい目になり、こう言ってニッコリ笑いました。
“I
hardly work.”
「ほとんど働かないわよ。」
Hard
をHardly
と変化させるだけで、「一生懸命に」から「ほとんど~しない」と、意味がガラリと変わってしまいます。こんな「英語学習者が使ってみたくなる」タイプの初歩的ジョーク、実際に使うネイティブスピーカーっているんだなあ、と驚いた次第です。
0 件のコメント:
コメントを投稿