金曜の午後、久しぶりに生物学チームのジョナサンと会ったので、ひとしきり世間話をしました。三カ月前、大工仕事の得意な彼にお出まし願って一緒に作った我が家の花壇。今ではミニトマトが腰高まで生い茂り、今週から一日五個ペースで収穫出来るようになりました。
「甘くて美味しいんだけど、市販の物より皮が厚くて固いんだ。口の中に残る皮の感じがどうも後味を悪くして残念なんだよね。どうしたら皮の薄いソフトなトマトが出来るのかな。」
と質問する私に、即答するジョナサン。
「まずは品種を確かめた方がいいね。元々皮の厚い種類もあるから。でも一番の鍵は、水分量の調節だな。」
多すぎても少なすぎてもいけない、これはどうやら経験が物を言う世界らしいです。
「そうか、どんな環境条件を与えるかで皮の厚さが変わるってことだね。微妙だなあ…。人間にも、そういうとこあるよね。あ、そういえば、皮の厚さで思い出した!」
先週オンラインで受けたStandOut Assessment(スタンドアウト・アセスメント)という性格テストの結果、「プロバイダー」であり「ティーチャー」である、というカテゴリーにおさまった私。それ自体はふむふむな内容だったのですが、軽く引っかかったのが診断書の後半に付記されたアドバイスの一節。
“Because you are
thin-skinned, other people can wind you up quite easily.”
「面の皮が薄いせいで、簡単にワインドアップされがちです。」
ん?ワインドアップ?野茂英雄や松坂大輔が走者を背にしていない時に見せるかっこいい投球フォームのことか?でもこれは他動詞だから、「巻き上げる」となるよな。「簡単に巻き上げられがち」、と。気弱な中学生が校舎の陰でカツアゲの餌食になるシーンが想像されますが、それだとこの文脈と合わないし…。
「おちょくられる、とかカチンと来る扱いを受けるって意味の言い回しだよ。」
とジョナサン。「気分」というものが、まるで多方向からの風に煽られてぐらぐらバタバタする感じでしょうか。要は「なめられてイラつかされる」ってことですね。
“Because you are
thin-skinned, other people can wind you up quite easily.”
「面の皮が薄いせいで、人から簡単になめられてイラつかされがちです。」
「シンスケの面の皮が特別薄いとは思わないよ。そのアドバイスはぴんと来ないな。ただ、常に周囲を助けようとするタイプの人が他人から軽く見られる傾向があるってのには賛成かな。」
実はこの前日、実際に周りから「Thin-skinned(シンスキンド)なシンスケ」と思われているのかどうか急に気になり出し、部下たちに性格テストの結果をぶっちゃけてみました。
「私はその解説、納得いかないな。5年半の付き合いだけど、シンスケがシンスキンだと思ったことは一度も無いもの。」
と首を傾げるシャノン。
「じゃ、Thick-skinned(面の皮が厚い)ってこと?」
とふざける私。
「違う違う!そうじゃないってば。」
と、大真面目に慌てるシャノン。この時、若い新人のアンドリューがニヤリと笑って言いました。
“I think you are
medium-skinned.”
「ミディアム・スキンだと思う。」
このオリジナルな言い回しがツボに入った私はゲラゲラ笑い出し、シャノンもカンチーも、少し離れて座っていたべスまで一緒になって暫く爆笑が続きました。
でもその数分後、なんだかちょっと引っかかる私。
もしかして、ちょっぴりなめられてる?
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