2013年6月11日火曜日

BCC Me! ビーシーシーミー!

今の会社で働き始めて10年以上が経過しましたが、先週、これまで一度も経験したことのない程の激しさで「ぶちキレ」ました。先月私の部下になった社員5人のうち3人から、突然財務データベースへのアクセス権が剥奪されたのです。何かの間違いだろう、取り消せないか、と財務部に確認したのですが、これは会社の新方針だ、の一点張り。以後毎日、財務のトップとメールのやり取りをしています。お前らふざけんじゃねえ!これじゃ、うちのチームが仕事にならないだろうが!という憤りを、極めて慎重に、丁寧な文章に変換した上で。

久しぶりに同僚ディックと会った際、私の怒りを聞いてもらいました。
「まったくさあ、何が辛いって、頭が沸騰している時に冷静なメールを書くのが辛いよ。本当は映画パルプ・フィクションのサミュエル・ジャクソンみたいに、豪快に行きたいところなんだぜ。」

ジャクソン演じる黒衣の殺し屋ジュールスが引き金を引く前に使う決め台詞を、淡々と暗誦する私。

“And I will strike down upon thee with great vengeance and furious anger those who attempt to poison and destroy my brothers.”
「そして私は鉄槌を下すだろう。大いなる復讐と激しい怒りをもって。私の兄弟に毒を盛り滅ぼそうと試みる者たちに。」
するとディックが、ややドラマチックにサミュエル・ジャクソンの声マネをしながら、後半を引き取ります。

“And you will know my name is the Lord when I lay my vengeance upon you.”
「そしてお前は知るだろう、私の名が神であることを。お前に鉄槌を下す時に。」
二人で大笑い。さすが映画通のディック。いいねえ、こういうの。
「で、そんなメールを財務部に対して書いたわけ?」

とディック。
「いやいや、書くわけないじゃん。そんなことしたら大騒ぎになるよ。」

と私。
「もしも書く時が来たらさ、」

とディック。
“BCC me.”
「ビーシーシーしてよね。」

これには再び大笑い。BCC(Blind Carbon Copy)。自分の名前を他の人に明かさないようにしてメールを送ってくれ、ということですね。つまり、興味はあるけど大っぴらに関わるのは御免だぜ、という及び腰ぶりを表現したわけ。
ディックのユーモアのおかげで、いくらか気分が晴れました。

0 件のコメント:

コメントを投稿