職場の同僚達と晩飯を食べにメキシカン・レストランへ出かけたところ、飛び切りキュートなウエイトレスが我々の横を通り過ぎました。よく見ると、なんとこれがテイラー・スウィフト。ええ?嘘でしょ。そんなわけないよな…。同僚たちに、
「ねえ、これ夢なの?」
と尋ねると、夢じゃないよ、なんで?と怪訝な顔で私を見つめます。窓の外に目をやると、どうやらこのレストランはJRの駅前。「稲毛海岸駅」らしき看板が遠くに見えます。え?日本?
そのうちテイラー・スウィフトが我々のテーブルにやって来て、無料マッサージをしてくれると言います。私が頼むと、肩や首を丁寧に揉んでくれました。呆然と彼女の後姿を見送った後、チップをあげ忘れたことに気づきます。慌てて後を追い、
「さっきは有難う。これ、チップね。」
と20ドル札を渡しました(思い切って奮発)。ニッコリ笑って厨房に消えていくテイラー・スウィフト。
「ねえみんな、やっぱりこれ、絶対夢でしょ!」
席に戻って確認したのですが、同僚達は口を揃えて、違う違う、現実だよ、と真面目な顔で首を振ります。
で、ここでようやく目が覚めました。
「そりゃそうだろ!」
ベッドに横たわったまま、自分につっこむ私。稲毛海岸あたりで気がつきそうなもんだけどなあ…。夢ってフシギ。ううむ、寝相が悪かったのか、ちょっと首が痛い。
それにしても、なんでテイラー・スウィフト?
よく考えてみたら、前の日に彼女の曲を繰り返し聴いていたのでした。だからって夢にまで出てくるか?あ、そうだ。代表曲に “You belong with me” てのがあるんだけど、このタイトルがずっと気になっていたのです。Belong の後には必ずto が続くと信じていたので、 “Belong
With” というフレーズの微妙な違和感が心にひっかかっていたのですね。
さっそく本日、若い同僚のサラに質問してみました。
「そうねえ、Belong to は所属とか所有を意味してるけど、人間関係を表現する時には使えないわね。例えば
I belong to a book club. (私は読書クラブに所属しています。)とは言うけど、He belongs to
me. とは言わないもの。」
「じゃさ、どういう関係にあったら He belongs with me. って言えるの?読書クラブで会った男性を指して、He
belongs with me. って言ったらどういう関係?」
「Dating (付き合ってる)ってことかしら。」
「ってことは、すごく親密な間柄なわけだね。」
「ちょっと待って。う~ん、分かんなくなって来ちゃった。自信ない。」
そこへ、壁を隔てた隣の席でこの会話を聞いていたアルフレッドが、助け舟を出します。
「同じカテゴリーに属している人間関係ってことだと思うよ。今、ネットで調べてみた。」
「ありがと。でもそれ、具体的にはどういうこと?」
「たとえばさ、ある作家の本が図書館のどこにあるかを説明する時、 “Dickens
belongs with Hardy and Austen.” って言うんだって。」
「じゃさ、男女の関係ではどうなるわけ?」
「同じカテゴリーにいるんだから、二人はぴったりフィットしてるってことになるよね。」
そうか!これで分かりました。
You belong with me.
あなたには私がお似合いなの。
サラもアルフレッドも、
「今まで一度も深く考えたことなかったよ。面白かった!」
と興奮気味。夢にまで現れて、「疑問を解決せよ」と肩を揉んでくれたテイラーちゃん。感謝です。
じゃあ、カーリーサイモンのYou belong to meは?
返信削除あなたは私のものよ。ってことでしょう。ちょっと怖いね。
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