先日、 “Forgetting Sarah Marshall”(邦題「寝取られ男のラブバカンス」)というコメディ映画のDVDを借りて来ました。原題を直訳すると「サラ・マーシャルを忘れるために」で、彼女に別れを告げられた男が主人公のドタバタもの。話がスタートしてわずか10分ほどで、いきなりこの男がすっぱだかになります。更になんと、イチモツがどどーんと丸出しに!ええっ?流れから考えて、そこまでする必然性あるか?
ここでふと、そもそもなんでこの映画を借りたんだっけ?という疑問が浮かびました。普通はiTunes をブラウズしてレビューを読み、これは良さそうだ、と思ったら図書館のデータベースで検索して予約、という手順を踏むのですが、この作品に関してはそんな記憶が無い。ううむ。なんでだろ?
二日ほどして同僚マリアと会った時、なんとなく直感があり、
「ねえ、Forgetting Sarah Marshall の話って僕としたことない?」
と尋ねました。彼女はちょっと戸惑ってから、急に記憶が蘇ったように、
「あ、したかも。うちの妹一家を訪ねてオーストラリアへ行った時の話じゃない?」
と答えます。
「そうそう!やっぱりマリアだったか!」
随分前に、彼女からこの映画の話を聞かされていたのでした。マリアの滞在中に、みんなでDVDを観ようということになり、妹さんがこの映画を借りて来たのだとか。彼女のご主人が、
「これって子供に見せても大丈夫 (age appropriate) なのか?」
と尋ねると、妹さんが真顔で答えます。
「うん、わたし前に見たもん。すごく面白かったわよ。」
14歳の娘と12歳の息子も一緒に鑑賞し始めてわずか10分。どど~んと丸出しシーンが登場します。
「一体どういうつもりだ!」
動転してテレビのスイッチを切るご主人。マリアが妹さんを見ると、ぽかんとした顔で暫く黙った後、
“I forgot that part.”「この場面忘れてた。」
と呟いたのだそうです。
“How could you forget it?”
「どうしたら忘れられるっていうのよ?」
と驚くマリア。「どうしたら忘れられるっていうのよ?」
そうそう、彼女からこのエピソードを聞かされた後、すぐに図書館のホームページで予約したんだった!ようやく記憶が蘇り、すっきりしたのでした。
さてその後、同僚リチャードの部屋を訪ねてこのエピソードを話しました。
「最近、本当によく物を忘れるんだよね。病気とかそういうのじゃないとは思うんだけど、時々ちょっと心配になるよ。日本語ではこういうの、Kenbosho(健忘症)って呼ぶんだけど、英語にそういう単語ってあるの?」
彼は暫く考えた後、
「そうだなあ。具体的な病名を挙げるのは問題あるからねえ。何かなあ。」
と上を向き、
「そうだ。Brain Fart ってのがあるよ。」
「え?ブレイン・ファート?」
Fart というのは「おなら」のことです。「脳のおなら」?自分の部屋に戻ってネットで確認したところ、これは「ど忘れ」のことでした。違う違う!探してたのは「健忘症」なんだよ。
その後、マリア、リチャード、元ボスのエドと、サンディエゴに出張中のエリカを連れてランチへ行きました。私があらためてこの話題を切り出したところ、皆で「なんだろう」と悩みだし、最後にエドがこう言いました。
「CRS(シーアーレス)だな。」
隣でエリカがくすくす笑います。
「うちのばあちゃんがこれだった。」
とエド。
「何の略ですか?」
と私。
“Can’t Remember Shit.”
皆で大笑い。これはCRS Syndrome (CRS症候群)のようにも用いられる言葉だそうです。Shit
とは「くそ」のことですが、否定的な文脈で何か「もの」を指す時にも使われます。直訳すると、「な~んも憶えられん」でしょうか。
この単語、いつまで覚えてられるか自信ありません。
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