月曜日。オレンジ支社に出張した際、元ボスのリックが私の服装に気が付いて、笑いながらこう言いました。
“You didn’t tell me that you’re going to wear it!”
「それ着て来るって言ってくれなかったじゃないか!」
え?何の話をしてるんだ?怪訝に思って自分の上着をよくよく見つめたら、3秒ほどで謎が解けました。これは数か月前、偶然にも二人全く同じ格好をしていることに気が付いた日に着ていた上着だったのです。同僚たちに指摘され、大笑いの二人。肩を組んで記念撮影をしたのでした。
「あの時は笑ったねえ。まるでBrother from another mother みたいだったもんね。」
「え?何ですって?」
ブラザー・フロム・アナザー・マザー、つまり他のお母さんから産まれた兄弟、「異母兄弟」ですね。一瞬分かった気になったけど、それ、一体どういう意味だ?分かったような、分からんような…。
水曜日にダウンタウン・サンディエゴ支社へ行った際、同僚ステヴに意味を尋ねてみました。
「アザーを三つ繋げて韻を踏んでいるところは面白いんだけど、そもそも異母兄弟っていうコンセプトがよく分からないんだよね。どの程度の仲良し具合なわけ?例えば、Buddy(相棒)とかBest Friend(親友)とかと比べてさ。」
「そうだなあ。Buddy よりBest
Friendが上だね。で、その更に上に来るのがBrother
from another mother だな。」
「あ、そうなの?そんなに上?」
日本語に直すと、「無二の親友」って感じでしょうか。韻を踏んだ和訳にはならないけど。
「ちょっと調べたら、このフレーズの女性バージョンもあるんだね。」
「ああ、Sister from another misterね。」
シスター・フロム・アナザー・ミスター。男性版と同じ調子で韻を踏みたいばっかりに、無理やり「ミスター」を引っ張り込んだのでしょう。Sister とFather だと、「er」だけの韻になってしまうので、ここはどうしても「スター」で終わりたかったのだと思います。
「別のミスターから授かったシスター、か…。これってさ、どことなく意味ありげじゃない?母が父親じゃない男性と…。なんてさ。」
と、私。そもそもミスターって単語自体が、意味深じゃない?
「そんなことないと思うよ。単なる言葉遊びでしょ。」
私の顔をじっと見つめ、きっぱりと否定するステヴ。
考え過ぎでした。
この記事を書いてくれてありがとうございます。今まさに「Brother from another mother」と明るく言う人の話を聞いて「!?」となってました。複雑な家庭事情を乗り越え普通の兄弟以上に仲良くなった家族の物語…と思ったら普通に大親友みたいな意味であんまり気を使う必要もなさそうで助かりました。
返信削除同様の経験をされたのですね。ほんと、一瞬動揺しますよね。
返信削除これ、たとえ意味は理解しても、「腹違いの兄弟」というイメージが邪魔して素直に喜べないのは私だけでしょうか。