2013年8月24日土曜日

英語でムダ話

昨夜は同僚サラの音頭取りで、職場の仲間とその家族約20名が集まり、パドレス対カブスのナイト・ゲームを観にペトコ・スタジアムへ行きました。試合開始予定が7時過ぎだったので、まずは5時半に球場近くのパブ「Southpaw」に集まって軽食を取ろうという案内が、今週になって送られて来ました。

正直、この追加企画を知った時はあまり気乗りがしませんでした。パブにはあまり良い思い出が無いのです。ビートの利いたダンス・ミュージックが大音量でかかり、鼓膜を限界ギリギリまで振動させ続けます。立ち飲みする若者達のヒステリックな笑い声に360度「サラウンド攻撃」を受け、それだけでもうフラフラ。そんな状態での英会話は、ものすご~くシンドイのです。しかも同僚達とアフターファイヴに交わす会話って、仕事中と全然勝手が違います。俗語が飛び交いジョークの数も増え、コミュニケーションの難易度は何段階もアップするのですね。

浮かない気持ちで少し遅れ気味に到着してみると、なんとこのパブには建物の外に小さな庭があり、デッキチェアが何脚も並べられていて、みんなここに陣取っていたのです。ラッキーなことに、騒音レベルがかなり低い(60デシベルくらいか?)。涼しげな飲み物を持ったマリアが私に気がついて手を挙げ、こっちこっち、と手招きしました。

これで一気に楽になりました。マリアと元ボスのエド、サラと彼女の友達のクリスティンと、一箇所に固まって談笑します。女性陣はみな独身。結婚相手探しネットサービスの話題で盛り上がり始めました。

「私の友達が紹介された男たちの写真がすごいのよ。その子が転送して来たんだけど。」
とマリア。

「ひとりはフーマンチューみたいなヒゲを伸ばして怖い目でこっちを睨んでるし、もうひとりはたくさんの動物のぬいぐるみに囲まれて幸せそうに笑ってるの。一体どういう思考回路が働いてそんな写真を使う気になったのか、理解に苦しむわよ。」

「私なんかさ、」

とクリスティン。

「肩から上の写真を登録してたんだけど、どうして全身写真を載せないんだって文句言ってきた男がいるのよ。将来奥さんになるかもしれないのに、両脚があるかどうか分からないのは不安だって言うのよね。嘘ばっかし。カラダが見たいだけでしょうが!」

「脚の無い嫁さんもらったら、靴代が浮いて助かるのにな。」

とエド。

「エ~ド!」

と三人の女性が一斉にたしなめます。

「そういえば、写真で思い出したんだけどさ。」

と私。

「パーソナルトレーナーにさ、誕生日の記念に写真を撮るよう薦められたんだよ。もちろん上半身ヌードでね。」

来月は私も、いよいよ50歳の誕生日を迎えます。彼女は、折角鍛えてるんだから成果を写真に残すべきだと言うのです。

「服脱いだらブルース・リーみたいになってんじゃないのか?シンスケは。」

とエド。

「そんなわけないじゃないですか。だったら迷いも無くヌード写真撮ってますよ。」

「そういえばマリアも今度誕生日よね。いつだっけ?」

とサラ。そう、マリアと私は同い年なのです。

11月よ。実は私、30歳の時にヌード写真撮らないかって誘われたことあるの。もちろん断ったけど、今思えば撮っとけば良かったな。さすがに50歳になっちゃったら撮らないもんね。」

するとエドが、

70歳になったら、50歳の時に撮っとけば良かったって後悔するぜ、きっと。」

と笑います。サラが、

「シンスケも、この際だからヌード撮っちゃえばいいんじゃないの?」

と愉快そうに笑います。

Speedo(競泳用ビキニパンツ)はいちゃったりしてさ。」

とマリア。そこで私が、

“I have to wax.”
「じゃあワックスしなきゃ。」

とふざけます。ワックスというのは、「ムダ毛の処理」という意味です。これは予想外に女性陣に大ウケ。隣でマリアがぼそっと、

“So do I.”
「あたしもやんなきゃ。」

と合いの手を入れました。


意外な盛り上がりを見せた、英語の「ムダ話」でした。

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