2013年3月14日木曜日

ダウ上昇のナゾ

ここのところ、ダウ平均株価 (Dow Jones industrial Average) 昇のニュースが連日メディアを賑わせています。なんだかフワフワと景気の良い雰囲気が漂う中、NPRという公共ラジオ局が、この熱狂に水を指す番組を放送しました。

「ダウなんか無意味だ。そんな数字をニュースで追いかける価値など無いし、むしろ害悪である。」
そう主張する人たちの言い分が紹介されていたのですが、これが本当に目からウロコだったので、簡単に紹介しておきます彼らの論点は以下の通り

わずか30社の株価を追いかけて何が分かる?
アメリカ全体の景気を、大企業30社の株価だけで判断出来るのか?しかもこの30社には、アップルもグーグルも、アマゾンも入ってないぞ。

インフレはどうした?
過去最高値を連日更新とか言っているが、インフレ率を考慮すれば現在の指数はまだまだ低い最高値と呼ぶには15000 以上必要

単純な足し算で良いわけが無いだろう!
株価というのは企業の価値を株数で割ったもの。同じ価値を持つ二つの会社が全く違う株数を発行した場合、株価には当然差が出る。一株100ドルと一株1ドルの会社が全く同じ価値を持つことだってあるわけだ。双方の企業価値が10%上昇したとして、一方は10ドル上がるのに対し、もう一方は10セントしか上がらない。ダウの指数は30社の株価を横並びで足し合わせて係数で割るため、上がり下がりの「効き方」が発行株数に左右される。実際、IBMとAT&Tの企業価値はほぼ同じだが、IBMの方が圧倒的に発行株数が少ないため、AT&Tと較べてダウ平均への効き方がはるかに大きくなる。
 
こうした理由から、ダウ平均に基づいて経済動向を語るのは「アマチュアのすること」だそうです。IBMがコスト削減のために大量解雇した結果、株価が上がったとする。するとダウも上昇する。失業者が増えたっていうのに景気は堅調だと喜ぶ人が増える。これが愚かと言わずして何としよう…。

な~るほどねえ。勉強になりました!

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