“Are you a hologram?”
「そこにいるのはホログラム?」
と、気の利いたフレーズでからかわれました。リチャードからはもう何か月も「昔みたいにまた晩飯食べに行こうよ」と誘われていたのに、ずっとリクエストに応えられずにいました。これはさすがにまずいと反省し、翌週彼を誘ってやきとり屋「大将」へ。
L字型カウンターの角に二人並んで座り、本格炭火焼の絶品に舌鼓を打っていたところ、中年カップルが二組入って来ました。角を隔てて反対側に四人が並んで座り、メニューを受け取ったところ、リチャードが私を小突きます。私の一番近くにいる男性が、有名人だと言うのです。リチャードは数秒ためらった後、その人に声をかけました。
「ちょっとすみません、あなた、Sam the
Cooking Guyじゃないですか?」
Sam the Cooking Guy (サム・ザ・クッキング・ガイ)というのは、サンディエゴをベースとしたテレビの料理番組で有名なのだそうです。軽妙なお喋りで視聴者を楽しませつつ美味しい物をスピーディーに仕上げて行くその手法がウケて、短期間でとてつもない人気番組に成長したのだと。
「ああ、そうだよ。」
と答えるサム。
「どうも見たことある顔だな、と思ってたんですよ。やっぱりか!」
と喜ぶリチャード。後で振り返ると自分でも不思議なんだけど、私は反射的にこうコメントしていました。
「いや、僕は全然見たことないなあ。」
サムは間髪入れず、
「ノォ~~!」
と頭を抱えた後、くるりと背を向けて奥さんらしき女性とメニューをチェックし始めました。私はテレビをほとんど観ないので、それが誰であれ街で有名人と出会っても気付かない可能性は高いのですが、だからと言って面と向かってそれを表明する必要など無いし、そもそも無礼です。何か気の利いた一言が言えなかったのか?これは英語力がどうこういう話じゃなく、最近心に余裕が無くなってることが原因だと思います。いたく反省する私でした。
今週水曜日、昨年10月に転職したアルフレッドがダウンタウンに用事があるというので、かつての同僚達を誘い合わせてランチに行きました。ジェフ、ジェイソン、サラ、そしてマリアが参加。私は12時までのはずだった電話会議が12時半まで延びたため、だいぶ遅れて駆けつけることになりました。担当プロジェクトがとんでもなく深刻な状況に陥ってしまったため、議論が緊迫し、どうしても途中で抜けるわけにはいかなかったのです。
焦って到着したところ、遅れを責めるわけでもなく、皆ニコニコ笑っています。ジェフがこんな話をしていました。
「親父のところに、ある日電話がかかって来たんだ。うちの息子がメキシコで留置場に入れられて困ってるって。今すぐ金を送ってくれないかって言うんだな。息子はうちのすぐ近所に住んでるっていうのにさ。すんでのところで、親父は送金しちゃうところだったんだよ。」
アメリカにもオレオレ詐欺ってあるのですね。これは初耳でした。
するとマリアも、
「うちの父も、こないだ同じような電話を受けて、もうちょっとで大金を巻き上げられるところだったわ。どうしてそんな簡単に信じちゃうのか不思議で仕方ないんだけど。」
詐欺グループもそこは抜け目なく、「親には黙っててくれ」と釘を刺すのだそうで、孫思いの老人たちはコロリと騙されちゃうのだそうです。
するとサラが、
「それとは種類が違うんだけど、私ね、最近フェイスブックに載せた写真を気に入ったから友達になって欲しいっていうメッセージが来るようになったの。昨日もそういうのが複数届いたんだけど、二本目のメッセージが、もし友達承認してくれたら自分のおっぱいの写真送るって言うのよ。私が男性か女性かも知らないってことでしょ。明らかに怪しいわよね。」
そこでジェイソンがすかさず、こう言いました。
“Forward that to us. We’ll check it out for you.”
「それ転送してよ。チェックしてあげるから。」
う~ん、気が利いてるなあ。ひどく感心する私。咄嗟にこういうセリフが口をついて出るくらい、心に余裕を持ちたいものです。
オレオレ詐欺はかなり身近な話みたいだね。サトウ君の所にもかかってきて、あわや晶子女史が振り込む寸前まで行ったとか。
返信削除ウチの実家にもかかってきて、弟のこと云々電話口で言われたらしいのだけど、たまたまその時弟が実家に帰ってきていた処だったので、ウチの父が「ちょっと待ってください、今本人に換りますから」って言ったら慌てて切ったらしい(笑)
キミのお父さんだったら、そうそう引っかからないだろうネ。
世界的に有効な詐欺の手口なんだってところが驚き。うちの親父なら、相手が縮み上がるくらいの勢いで怒鳴りつけるだろうね。
返信削除テレビ東京の人気番組「youは何しに日本へ」という番組、空港で外人を見つけてはインタビューするっていうのがあるのだが、その中でつかまえられた外人なんか見たことあるな~。。。って思っていたらクリスチャン・ラッセンだった。カミさんと二人でおおっ!と声を上げたら、撮影したスタッフ達は知らなかったみたいで本人はエラく落ち込んでいた(笑)
返信削除http://matome.naver.jp/odai/2141203617776944401
ラッセンて米国本土でも有名なのかな?それとも日本だけ?
ヒロ・ヤマガタはどうなんだろう。
いや、ラッセンやヤマガタの話題で盛り上がったことないなあ。日本ほどにはブレークしてないんじゃない?日本では当たると大きいからね。よく「アメリカで大人気」っていうキャッチコピーがあるけど、そんな現象、アメリカに来てから一度も目撃したことないもん。ナタデココとかタマゴッチみたいな大流行は、日本ならではだと思う。ラッセンも、「日本人なら俺のこと知ってるはず」と期待していたに違いない。流行のサイクルは短いということを知らなかったのかな。
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