先日ロングビーチ支社に出向いた際、中堅PMのアリーシャと久しぶりに言葉を交わしました。彼女はイディオムを多用するタイプなので毎回会話を楽しみにしているのですが、今回もこんなフレーズが飛び出しました。
“So I ran it up the flagpole.”
直訳すれば、何かを「旗竿の上へ高く掲げた」ということですね。これ、以前にも何度か聞いている言い回しなのですが、意味をつかめずにいました。
「今のどういう意味?なんでフラッグポールが出て来るの?」
「あ、またイディオム使っちゃったわね。ごめんなさい。要するに、上層部に話を上げた(Escalated)ってことよ。」
「え?そうなの?前にネット辞書で調べた時には、違う意味が載ってたんだけど…。」
そうなんです。このイディオム、どこで調べても、
To propose an idea or make a suggestion in order to learn the reaction
of others to it.
提案して皆の反応をうかがう
といった訳しか出ていないんです。つまり、何かを旗竿のてっぺんにするするっと上げて、皆がどう出るかを見る。これならビジュアル・イメージに沿ってるし、納得です。でも、アリーシャの説明は微妙に違う。いや、微妙どころじゃないな。旗竿を組織の階層に見立てているわけだから、完全に別モノだ。
そんなわけで、職場の同僚たちにセカンドオピニオンを聞いて回りました。アルフレッド、スー、サラ、レベッカ、そしてジェイソンと5人にヒアリングをかけた結果、全員がアリーシャの解釈に同意していることが分かりました。リスクマネジャーのスーには辞書サイトのリンクまで送って違いを指摘したのに、
“Interesting….”
と、そっけない反応。う~む。ネットに出てる情報が全て正しいとは限らないなんてことは百も承知だけど、ここまではっきり違うとはなあ。
ダウンタウンのオフィスで同僚ステヴと話したところ、
「うん、それはネットが間違ってるね。」
とキッパリ。
「でも偶然だなあ。ちょうど昨日、そういう発言が会議で飛び出したんだ。」
彼の出席した会議中、クライアントに提出するレポートのある一章を、まるまる削除すべきかどうかの議論になったそうです。これは難しい判断で、プロジェクトチームの面々が皆で数分間唸ります。ここで誰かが、
“Why don’t we run it up the flagpole?”
「旗竿のてっぺんに上げたらどうかな。」
と提案したところ、最ベテランの出席者が、
“We ARE the flagpole. There’s nobody else. Let’s cut the chapter.”
「俺たちが旗竿なんだよ。他に誰もいやしない。この章、削除しようじゃないか。」
と答えて、皆が笑ったのだと。
う~ん、そうなのか。でもやっぱり、なんかすっきりしない。
この話、このブログに上げて、読者の皆さんの反応をうかがうことにします。
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