先週から今週にかけ、プロジェクトマネジメント・ソフトウェアのトレーニングに参加するため、ほぼ毎日よその支社に出かけています。基本的には会場の隅っこに座ってるだけ。インストラクターが答えられないような質問が出た時だけ、しゃしゃり出てお答えする、という役割です。
一昨日はサンディエゴのダウンタウンにあるオフィスが会場。終盤になって、インストラクターのダグラスが参加者にこう言います。
「それでは、力試しのためにテストを受けてみて下さい。デスクトップ上にあるこのアイコンをダブルクリックしたらスタートです。」
しばらく静まり返っていたのですが、しょっぱなからバンバン質問して強烈な存在感を放っていた高齢の男性社員が、ダグラスに文句を言い始めました。
“I got dinged when I clicked on the scroll bar!”
「スクロール・バーをクリックしたらding されたぞ!」
するとダグラスが、
「そのスクロール・バーは単なる画像です。クリックしても、何も動きません。」
と冷静に返答。その時、後ろの方でテストを受けていた女性社員が、
“I already got dinged three times!”
「もう3回もding されちゃったわよ!」
と欲求不満気味に叫びました。
この “ding” ですが、さくっと調べたところ、もともと「鐘をゴーンと鳴らす」という意味だということが分かりました。でもそれじゃ、今回の文脈には当てはまりません。確かにテストで不正解だった場合「ビーッ」という音が出るようにはなってるのですが、「ゴーン」とは音色が違い過ぎるでしょ。
で、以前サーファー社員のマットの発した一言を思い出しました。勝手に判断して仕事を進めたりしたら上司のトラヴィスに怒られる、と心配した場面。
“Travis is gonna flip! And I will get dinged.”
「トラヴィスはきっとキレるよ。僕は ding されちゃうだろうな。」
この場合、どう考えても「鐘をゴーンと鳴らされる」じゃおかしい。で、今晩きちんと調べたところ、三つ意味があることが分かりました。
ひとつ目は、何かを却下する際にゴングをチーンと鳴らすことから、「ダメ出しをする」という意味。二つ目が、「軽く叩いて表面にへこみをつける」。これから派生したのか、三つ目が「小言を言う」でした。マットの発言はこの三番目、「小言を言われる」でしょう。そして一昨日のトレーニングでの発言は、一番目の「ダメ出しされた」だと思います。
2011年4月9日土曜日
2011年4月7日木曜日
Only the saving grace せめてもの救い
朝一番で、同僚のリタが私のオフィスにやってきました。
“Aftershock!”
ひと声発した後、深刻な顔で私を見つめています。
「え?何?また地震があったの?」
「出勤途中のカーラジオで聞いたの。マグニチュード7.4 だって。」
あわててネットのニュースをチェック。
「本当だ。また東北じゃないか。なんてこった。」
「ひどい話よね。私、車の中で泣いちゃったわよ。」
リタが目を潤ませています。ため息をつきながら、彼女がこう言いました。
“Only the saving grace is that most of the people there have already evacuated to safe places.”
この Saving grace というのは頻繁に聞くフレーズ。「救い」とか「とりえ」と言う意味ですが、まだ自由に使いこなせる気がしなかったので、後で同僚マリアを訪ねて意味を聞いてみました。
「Grace はもともと聖書の言葉だと思うわ。神様の愛って意味ね。Saving grace は、悪い状態の中で何かひとつ神様の愛を受けてるものがある、つまり救いがある、ということね。よく使う表現よ。」
というわけで、リタの発言はこういうことになります。
“Only the saving grace is that most of the people there have already evacuated to safe places.”
「せめてもの救いは、被災者達の多くが既に避難所にいるってことよね。」
さて、午後になり、同僚リチャードからメールが届きました。題して「日本に学ぶべき10の教訓」。数日前、SKYNEWS というニュースサイトに出ていたとのこと。あまり嬉しかったので、訳をつけて下に書いておきます(訳の正確さは保証しませんが)。この4項目目にもGrace が出てくるのですが、この場合は「品位」「優しさ」「寛大さ」という意味になるようです。
10 things to learn from Japan
1. THE CALM 「冷静さ」
Not a single visual of chest-beating or wild grief. Sorrow itself has been elevated.
泣き喚いたり叫んだりしているシーンは一切見られない。ただ哀しみが募るだけ。
2. THE DIGNITY 「威厳」
Disciplined queues for water and groceries. Not a rough word or a crude gesture. Their patience is admirable and praiseworthy.
水や食糧の配給に並ぶ、規律に満ちた人たちの列。罵声も乱暴な振る舞いもない。彼らの辛抱強さは称賛に値する。
3. THE ABILITY 「技術力」
The incredible architects, for instance. Buildings swayed but didn’t fall.
驚異的な建築技術。ビルは揺れても倒壊せず。
4. THE GRACE (Selflessness) 「品位(無私の心)」
People bought only what they needed for the present, so everybody could get something.
人々は現在必要なものだけを買う。そのため、皆が何かしら入手できる。
5. THE ORDER 「規律」
No looting in shops. No honking and no overtaking on the roads. Just understanding.
商店での強奪が一件もない。道路上でも、クラクションを鳴らしたり無理な追い越しをしたりする者がいない。ただお互いを思いやるのだ。
6. THE SACRIFICE 「犠牲精神」
Fifty workers stayed back to pump sea water in the N- reactors. How will they ever be repaid?
50人の作業員が原子炉への海水注入のため職場に戻った。彼らの犠牲をどうやってあがなうのか?
7. THE TENDERNESS 「思いやる心」
Restaurants cut prices. An unguarded ATM is left alone. The strong cared for the weak.
レストランは値段を下げた。ATMはそのままガードマンも付けずに置かれている。元気のある者が弱った者を介抱していた。
8. THE TRAINING 「訓練」
The old and the children, everyone knew exactly what to do. And they did just that.
老人も子供も、何をすべきかをしっかり心得ていた。訓練の成果を発揮しただけだ。
9. THE MEDIA 「メディア」
They showed magnificent restraint in the bulletins. No silly reporters. Only calm reportage. Most of all – NO POLITICIANS TRYING TO GET CHEAP MILEAGE.
ニュース速報の内容は素晴らしく抑制が効いていた。レポーターに馬鹿者はいなかった。冷静なレポートばかりだった。特筆すべきは、政治家の誰一人として、今回の災害を票集めに利用しようとしなかったことだ。
10. THE CONSCIENCE 「良心」
When the power went off in a store, people put things back on the shelves and left quietly.
商店が停電した時、客は商品を棚に戻して静かに立ち去った。
With their country in the midst of a colossal disaster - The Japanese citizens can teach plenty of lessons to the world.
この甚大災害のさなか、日本国民は世界の人々に多くのことを教えてくれる。
“Aftershock!”
ひと声発した後、深刻な顔で私を見つめています。
「え?何?また地震があったの?」
「出勤途中のカーラジオで聞いたの。マグニチュード7.4 だって。」
あわててネットのニュースをチェック。
「本当だ。また東北じゃないか。なんてこった。」
「ひどい話よね。私、車の中で泣いちゃったわよ。」
リタが目を潤ませています。ため息をつきながら、彼女がこう言いました。
“Only the saving grace is that most of the people there have already evacuated to safe places.”
この Saving grace というのは頻繁に聞くフレーズ。「救い」とか「とりえ」と言う意味ですが、まだ自由に使いこなせる気がしなかったので、後で同僚マリアを訪ねて意味を聞いてみました。
「Grace はもともと聖書の言葉だと思うわ。神様の愛って意味ね。Saving grace は、悪い状態の中で何かひとつ神様の愛を受けてるものがある、つまり救いがある、ということね。よく使う表現よ。」
というわけで、リタの発言はこういうことになります。
“Only the saving grace is that most of the people there have already evacuated to safe places.”
「せめてもの救いは、被災者達の多くが既に避難所にいるってことよね。」
さて、午後になり、同僚リチャードからメールが届きました。題して「日本に学ぶべき10の教訓」。数日前、SKYNEWS というニュースサイトに出ていたとのこと。あまり嬉しかったので、訳をつけて下に書いておきます(訳の正確さは保証しませんが)。この4項目目にもGrace が出てくるのですが、この場合は「品位」「優しさ」「寛大さ」という意味になるようです。
10 things to learn from Japan
1. THE CALM 「冷静さ」
Not a single visual of chest-beating or wild grief. Sorrow itself has been elevated.
泣き喚いたり叫んだりしているシーンは一切見られない。ただ哀しみが募るだけ。
2. THE DIGNITY 「威厳」
Disciplined queues for water and groceries. Not a rough word or a crude gesture. Their patience is admirable and praiseworthy.
水や食糧の配給に並ぶ、規律に満ちた人たちの列。罵声も乱暴な振る舞いもない。彼らの辛抱強さは称賛に値する。
3. THE ABILITY 「技術力」
The incredible architects, for instance. Buildings swayed but didn’t fall.
驚異的な建築技術。ビルは揺れても倒壊せず。
4. THE GRACE (Selflessness) 「品位(無私の心)」
People bought only what they needed for the present, so everybody could get something.
人々は現在必要なものだけを買う。そのため、皆が何かしら入手できる。
5. THE ORDER 「規律」
No looting in shops. No honking and no overtaking on the roads. Just understanding.
商店での強奪が一件もない。道路上でも、クラクションを鳴らしたり無理な追い越しをしたりする者がいない。ただお互いを思いやるのだ。
6. THE SACRIFICE 「犠牲精神」
Fifty workers stayed back to pump sea water in the N- reactors. How will they ever be repaid?
50人の作業員が原子炉への海水注入のため職場に戻った。彼らの犠牲をどうやってあがなうのか?
7. THE TENDERNESS 「思いやる心」
Restaurants cut prices. An unguarded ATM is left alone. The strong cared for the weak.
レストランは値段を下げた。ATMはそのままガードマンも付けずに置かれている。元気のある者が弱った者を介抱していた。
8. THE TRAINING 「訓練」
The old and the children, everyone knew exactly what to do. And they did just that.
老人も子供も、何をすべきかをしっかり心得ていた。訓練の成果を発揮しただけだ。
9. THE MEDIA 「メディア」
They showed magnificent restraint in the bulletins. No silly reporters. Only calm reportage. Most of all – NO POLITICIANS TRYING TO GET CHEAP MILEAGE.
ニュース速報の内容は素晴らしく抑制が効いていた。レポーターに馬鹿者はいなかった。冷静なレポートばかりだった。特筆すべきは、政治家の誰一人として、今回の災害を票集めに利用しようとしなかったことだ。
10. THE CONSCIENCE 「良心」
When the power went off in a store, people put things back on the shelves and left quietly.
商店が停電した時、客は商品を棚に戻して静かに立ち去った。
With their country in the midst of a colossal disaster - The Japanese citizens can teach plenty of lessons to the world.
この甚大災害のさなか、日本国民は世界の人々に多くのことを教えてくれる。
2011年4月6日水曜日
Everything but the kitchen sink 何でもかんでも手当たり次第
週末にコンストラクションマネジャーのクリスからメールがあり、至急ヘルプを頼むと言って来ました。先週後半、建設業者がクライアントに宛てて、数十万ドルを請求するクレーム・レターを送りつけて来たというのです。
「工事期間が2009年のスタート時と較べ、随分延びている。これは我々の責任ではない。あなた方が余分な仕事を上乗せして来たからだ。この間の超過コストをお支払い頂きたい。」
クライアントをサポートすべく、私にこの要求の妥当性を検証してもらいたい、というのがクリスの依頼。彼がメールに添付してきた手紙を開いたところ、建設業者は遅れの原因(だと彼らが思う項目)をリスト化し、その日数を単純に合算しています。あらら、これはまた初歩的なミスを…。
プロジェクトの遅れというのは、そう簡単に分析出来るものじゃありません。遅れの原因追求は、クリティカル・パスの決定が第一歩。一般的には、一旦時計を過去に戻し、現在に至るまで実際に起きたことを、さも当初から計画していたかのように考えてスケジュールを再構築します。その上でクリティカル・パスを求め、その中から遅れの原因を抽出するというわけ。
今回建設業者が出して来たクレームには、この作業が抜け落ちているため、彼らが主張する「遅れの原因」には全く根拠が無いのです。たとえある作業が大幅に遅れたとしても、それがクリティカル・パス上に無ければ工期延長の因子ではない。そのことを彼らは理解していない。
昨日現場事務所に行ってクリスにその旨を説明したところ、彼はため息をつきながら、
「そうだろう。俺もそう思ってたんだ。あいつら、何でもかんでも手当たり次第に放り込みやがって。」
と毒づきました。ここで私の耳が、ぴくりと反応します。
彼の発言を再現すると、
“They threw in everthing but the kitchen sink.”
「台所のシンク以外なんでもかんでも放り込んで来やがった。」
です。この “Everything but the kitchen sink” は、過去に数え切れないほど聞いたイディオム。「なんでもかんでも」というニュアンスは分かるような気がするけど、なんで「台所のシンク以外」なんだ?といつも疑問に思っていました。
というわけで、さっそく本日調べました。語源はどうもこういうことらしいです。
「第二次大戦時のアメリカ人は、武器弾薬の製造にあてるため、所有していた金属類をなんでもかんでも寄付した。後に残ったのは台所の陶製シンクだけだった。」
な~るほど。確かに昔は陶磁器のシンク、あったよなあ。ちょっと前までは古臭いイメージだったけど、最近じゃ逆にオシャレですね。
「工事期間が2009年のスタート時と較べ、随分延びている。これは我々の責任ではない。あなた方が余分な仕事を上乗せして来たからだ。この間の超過コストをお支払い頂きたい。」
クライアントをサポートすべく、私にこの要求の妥当性を検証してもらいたい、というのがクリスの依頼。彼がメールに添付してきた手紙を開いたところ、建設業者は遅れの原因(だと彼らが思う項目)をリスト化し、その日数を単純に合算しています。あらら、これはまた初歩的なミスを…。
プロジェクトの遅れというのは、そう簡単に分析出来るものじゃありません。遅れの原因追求は、クリティカル・パスの決定が第一歩。一般的には、一旦時計を過去に戻し、現在に至るまで実際に起きたことを、さも当初から計画していたかのように考えてスケジュールを再構築します。その上でクリティカル・パスを求め、その中から遅れの原因を抽出するというわけ。
今回建設業者が出して来たクレームには、この作業が抜け落ちているため、彼らが主張する「遅れの原因」には全く根拠が無いのです。たとえある作業が大幅に遅れたとしても、それがクリティカル・パス上に無ければ工期延長の因子ではない。そのことを彼らは理解していない。
昨日現場事務所に行ってクリスにその旨を説明したところ、彼はため息をつきながら、
「そうだろう。俺もそう思ってたんだ。あいつら、何でもかんでも手当たり次第に放り込みやがって。」
と毒づきました。ここで私の耳が、ぴくりと反応します。
彼の発言を再現すると、
“They threw in everthing but the kitchen sink.”
「台所のシンク以外なんでもかんでも放り込んで来やがった。」
です。この “Everything but the kitchen sink” は、過去に数え切れないほど聞いたイディオム。「なんでもかんでも」というニュアンスは分かるような気がするけど、なんで「台所のシンク以外」なんだ?といつも疑問に思っていました。
というわけで、さっそく本日調べました。語源はどうもこういうことらしいです。
「第二次大戦時のアメリカ人は、武器弾薬の製造にあてるため、所有していた金属類をなんでもかんでも寄付した。後に残ったのは台所の陶製シンクだけだった。」
な~るほど。確かに昔は陶磁器のシンク、あったよなあ。ちょっと前までは古臭いイメージだったけど、最近じゃ逆にオシャレですね。
2011年4月3日日曜日
Kinky Kids 変態っぽい子供たち
ロングビーチ支社の中堅PMマークは、我が社の構築したプロジェクトマネジメント・プログラムを心から憎んでいます。私が作った訳じゃないんだけど、ユーザーサポートをしている手前、彼からの罵声を浴びる立場に陥ることしばしば。
先日も、彼がこんなメールを送って来ました。
“We need to test the boundaries of this program and hopefully find the kink in the armor that will bring it down so that we can go into a financial renaissance focused on aiding the worker bee….”
う~ん、これは入念に練られた悪口だぞ。しかも、 “Kink in the armor” が分からない。さっそく、弁護士の同僚ラリーに質問しました。
Kinkというのは「よじれ」とか「もつれ」という意味で、この場合の armor は中世の騎士が着ていた甲冑、さらにその下にまとった鎖帷子(くさりかたびら)のことだろう、とのこと。その鎖がよじれているところ、つまり弱点を指しているのだ、というのがラリーの解釈。つまり、マークが述べていたのはこういうことですね。
「このプログラムの限界を試して弱点を見つけ出し、破壊するべきだね。そうすりゃ本当の意味で働き蜂たちのためになる、財務システムの再生が出来るだろう。」
この kink というのは実に良く耳にする単語で、特に
Work out the kinks.
というフレーズが頻繁に現れます。これは「細かな問題点を解決する」という意味で、何箇所かもつれた糸を少しずつほぐすイメージ。先日の電話会議でも、大ボスのクリスが、クライアントとの大きな交渉が終了した、と報告した後、
“We will still need to work out the kinks.”
と発言してました。
ところで、この kink の形容詞に kinky という単語があるのですが、8年前、朝の通勤時に聴いていた低俗ラジオ番組に登場したことがあります。一般のリスナーが番組に電話してきて、
「私の体験した、人生で最もkinky な行為」
を披露して皆で爆笑する、というもの。想像を絶する破廉恥なエピソードをいくつも聞かされた後、職場に着いてから辞書で調べたら、案の定、
kinky = 変態的な
となっていました。おいおい、Kinki Kids を普通に発音したら「変態的な子供たち」になっちゃうじゃないか、と笑った記憶があるのですが、この時はkink までさかのぼって調べませんでした。今回調べてみて、ようやく8年越しに意味が繋がりました。Kink が「よじれ」であれば、Kinky は「よじれた」「倒錯した」となり、「変態的な」と変化するわけですね。
すっきりしました。
先日も、彼がこんなメールを送って来ました。
“We need to test the boundaries of this program and hopefully find the kink in the armor that will bring it down so that we can go into a financial renaissance focused on aiding the worker bee….”
う~ん、これは入念に練られた悪口だぞ。しかも、 “Kink in the armor” が分からない。さっそく、弁護士の同僚ラリーに質問しました。
Kinkというのは「よじれ」とか「もつれ」という意味で、この場合の armor は中世の騎士が着ていた甲冑、さらにその下にまとった鎖帷子(くさりかたびら)のことだろう、とのこと。その鎖がよじれているところ、つまり弱点を指しているのだ、というのがラリーの解釈。つまり、マークが述べていたのはこういうことですね。
「このプログラムの限界を試して弱点を見つけ出し、破壊するべきだね。そうすりゃ本当の意味で働き蜂たちのためになる、財務システムの再生が出来るだろう。」
この kink というのは実に良く耳にする単語で、特に
Work out the kinks.
というフレーズが頻繁に現れます。これは「細かな問題点を解決する」という意味で、何箇所かもつれた糸を少しずつほぐすイメージ。先日の電話会議でも、大ボスのクリスが、クライアントとの大きな交渉が終了した、と報告した後、
“We will still need to work out the kinks.”
と発言してました。
ところで、この kink の形容詞に kinky という単語があるのですが、8年前、朝の通勤時に聴いていた低俗ラジオ番組に登場したことがあります。一般のリスナーが番組に電話してきて、
「私の体験した、人生で最もkinky な行為」
を披露して皆で爆笑する、というもの。想像を絶する破廉恥なエピソードをいくつも聞かされた後、職場に着いてから辞書で調べたら、案の定、
kinky = 変態的な
となっていました。おいおい、Kinki Kids を普通に発音したら「変態的な子供たち」になっちゃうじゃないか、と笑った記憶があるのですが、この時はkink までさかのぼって調べませんでした。今回調べてみて、ようやく8年越しに意味が繋がりました。Kink が「よじれ」であれば、Kinky は「よじれた」「倒錯した」となり、「変態的な」と変化するわけですね。
すっきりしました。
2011年4月1日金曜日
Know-it-all 知ったかぶり?
先日のこと。そろそろ帰宅しようと机の上を片付け始めたところで、電話が鳴りました。
「ヴェンチュラ支社の〇〇という者だけど。」
初めて聞く名前です。プロジェクト・マネジメントのソフトウェアの件で質問があるとのこと。
“People say that you are a know-it-all guy regarding this software.”
そして私が彼の質問に即答すると、
“They were right. You really are a know-it-all guy. Thank you!”
と電話を切りました。半笑いで職場を後にする私…。
このKnow-it-all というフレーズですが、私の理解では「知ったかぶり」という意味なんです。
「みんなが言ってることは正しかったよ。あんた、ほんとに知ったかぶりだな。ありがとさん。」
そういう風にも訳せるところですが、彼の声のトーンからはどうもそんな嫌味は感じ取れません。Know-it-all は文字通り、「物知り」とか「〇〇通」とかいう意味合いで使われていたように思えました。翌日、いつものように弁護士の同僚ラリーに質問。
「一般的には、知ったかぶりという意味で使われてるけど、ポジティブな場合もあるね。僕は大抵ネガティブな文脈で使うけど。Know-it-all jerk (知ったかぶりの嫌な奴)とかね。そうだなあ。ポジティブ3割、ネガティブ7割、ってところかな。」
そんな微妙なフレーズだったのか!とするとヴェンチュラ支社の彼は、誤解されるかもしれないことを覚悟の上で、3割に賭けたわけですね。
“They were right. You really are a know-it-all guy. Thank you!”
「みんなは正しかったよ。君は本当にこのソフトのエキスパートなんだね。有難う!」
「ヴェンチュラ支社の〇〇という者だけど。」
初めて聞く名前です。プロジェクト・マネジメントのソフトウェアの件で質問があるとのこと。
“People say that you are a know-it-all guy regarding this software.”
そして私が彼の質問に即答すると、
“They were right. You really are a know-it-all guy. Thank you!”
と電話を切りました。半笑いで職場を後にする私…。
このKnow-it-all というフレーズですが、私の理解では「知ったかぶり」という意味なんです。
「みんなが言ってることは正しかったよ。あんた、ほんとに知ったかぶりだな。ありがとさん。」
そういう風にも訳せるところですが、彼の声のトーンからはどうもそんな嫌味は感じ取れません。Know-it-all は文字通り、「物知り」とか「〇〇通」とかいう意味合いで使われていたように思えました。翌日、いつものように弁護士の同僚ラリーに質問。
「一般的には、知ったかぶりという意味で使われてるけど、ポジティブな場合もあるね。僕は大抵ネガティブな文脈で使うけど。Know-it-all jerk (知ったかぶりの嫌な奴)とかね。そうだなあ。ポジティブ3割、ネガティブ7割、ってところかな。」
そんな微妙なフレーズだったのか!とするとヴェンチュラ支社の彼は、誤解されるかもしれないことを覚悟の上で、3割に賭けたわけですね。
“They were right. You really are a know-it-all guy. Thank you!”
「みんなは正しかったよ。君は本当にこのソフトのエキスパートなんだね。有難う!」
2011年3月29日火曜日
Lose sleep over 気がかりで眠れない
今日はロングビーチ支社のPMマークと、あわせて2時間くらい電話でやり取りしました。彼のメキシコでのプロジェクトが予想以上の大出血をしていて、クライアントから追加予算の約束をとりつけたばかりだというのに、さらに大規模な損失が予想されているのです。
今日の打ち合わせで分かったのは、私が毎週提供していた進捗速報を彼が「読み違え」、必要額をかなり下回る追加要求をしてしまったのだということ。今更、「実はもっと必要だったので、要求額を上乗せさせて下さい。」とは言えません。彼は瞬間湯沸かし器みたいな男で一旦怒ると手がつけられなくなるんだけど、それでもじっと耐えて、こんな事態に至った経緯を冷静に説明してくれました。はっきりとは口にしないけれど、それでも
「お前のレポートが分かりにくいからこんなことになっちまったんだよ!」
という憤りをビンビン感じます。
私が彼のためにまとめていたレポートは、プロジェクト・マネジメントの観点からは過不足ないのですが、彼が求めている物とは違ったのだ、ということが良く分かりました。
「でもマーク、そういう数字の出し方だと、利益率が不透明になるでしょう。」
「利益率なんか、俺にとってはどうでもいいことだ。いくら予算が不足しそうなのか、それだけ分かりゃ充分なんだよ!」
PMが利益率を無視するなんてあってはいけない話だけど、彼の気持ちは理解出来ました。
「悪かった。マークの求めていたことがようやく分かったよ。レポートの形式を変えて、君の欲しい情報が真っ先に分かるようにする。すまなかった。謝るよ。」
これで彼は少し気持ちが静まったようで、今後の対策を練るためにさらに話し合いを進めました。
ここで彼がボソリと漏らした一言がこれ。
“I lost sleep over this issue.”
Lose sleep で、「眠りを失う」という意味なので、
「この件では眠れなくなるほど気を揉んだよ。」
ということですね。財務部門から責められ、財布の紐が固いクライアントのご機嫌を取り、と胃の痛くなる日々を過ごしている彼の、苦しい本心でしょう。しかしすぐに気を取り直し、
“Well, it’s just money.”
「ま、所詮は金の話だけどな。」
と笑いました。
相手の要求を正しく理解し、(それがたとえ多少的外れでも)きっちり応えて行く、という「プロジェクトマネジメントの基本」を見失っていた自分に、今回の事件で気付かされたのでした。
今日の打ち合わせで分かったのは、私が毎週提供していた進捗速報を彼が「読み違え」、必要額をかなり下回る追加要求をしてしまったのだということ。今更、「実はもっと必要だったので、要求額を上乗せさせて下さい。」とは言えません。彼は瞬間湯沸かし器みたいな男で一旦怒ると手がつけられなくなるんだけど、それでもじっと耐えて、こんな事態に至った経緯を冷静に説明してくれました。はっきりとは口にしないけれど、それでも
「お前のレポートが分かりにくいからこんなことになっちまったんだよ!」
という憤りをビンビン感じます。
私が彼のためにまとめていたレポートは、プロジェクト・マネジメントの観点からは過不足ないのですが、彼が求めている物とは違ったのだ、ということが良く分かりました。
「でもマーク、そういう数字の出し方だと、利益率が不透明になるでしょう。」
「利益率なんか、俺にとってはどうでもいいことだ。いくら予算が不足しそうなのか、それだけ分かりゃ充分なんだよ!」
PMが利益率を無視するなんてあってはいけない話だけど、彼の気持ちは理解出来ました。
「悪かった。マークの求めていたことがようやく分かったよ。レポートの形式を変えて、君の欲しい情報が真っ先に分かるようにする。すまなかった。謝るよ。」
これで彼は少し気持ちが静まったようで、今後の対策を練るためにさらに話し合いを進めました。
ここで彼がボソリと漏らした一言がこれ。
“I lost sleep over this issue.”
Lose sleep で、「眠りを失う」という意味なので、
「この件では眠れなくなるほど気を揉んだよ。」
ということですね。財務部門から責められ、財布の紐が固いクライアントのご機嫌を取り、と胃の痛くなる日々を過ごしている彼の、苦しい本心でしょう。しかしすぐに気を取り直し、
“Well, it’s just money.”
「ま、所詮は金の話だけどな。」
と笑いました。
相手の要求を正しく理解し、(それがたとえ多少的外れでも)きっちり応えて行く、という「プロジェクトマネジメントの基本」を見失っていた自分に、今回の事件で気付かされたのでした。
2011年3月27日日曜日
全裸で眠るアメリカ人
ここのところ、サンディエゴは寒い日が続いています。もともと一年中温暖な土地で、冷暖房を使うことなど合計で5日間くらいしかない年もあるのに、今年の春は寒いです。夜は特に冷え込むので、華氏63度(摂氏17度くらい)に暖房をセットして寝たりしています。東北の人たちのことを思えばどうってことないし、計画停電なんていう状況を考えれば、申し訳ないくらいですが。
息子の学校で実施した日本救援のための募金活動は大きな成功をおさめ、かなりの額が集まりました。私も千代紙柄の手作り栞を職場の人に買ってもらい、募金を集めました。この活動の中心になっている妻の目下の課題は、
「どうやって無事にお金を日本へ届けるか」
です。アメリカ赤十字は17%の手数料を取ると聞くし、団体によっては「日本に届ける」と明記していないところもある。日本の団体に直接米ドルを届けても意味が無いので、日本に支店があるこちらの銀行を使って海外送金した末に為替交換をしたい。ところが学校での募金はPTAを通しているため、彼らの口座があるチェイス銀行を通さなければならないのだけれど、あいにくチェイスはそういうサポートをしてくれない。…などなど、越えなければならないハードルが多いのです。妻は毎日あちこちから情報をかき集め、最適解を探し続けています。
さて話は変わり、金曜のお昼、エド、リチャード、そしてマリアと一緒にタイ料理屋へ行きました。どんより曇って冷たい風が吹いていて、私はジャンパーの襟を一番上まで閉めて歩きました。席について暫くするとエドが、
「誰かが店のドアを開けっ放しにしたみたいで寒いな。ウェイトレスに言って閉めてもらおうか。」
とキョロキョロし始めました。見ると、そういう彼は半袖のアロハシャツ姿。そりゃ寒いに決まってるだろ!と突っ込みそうになって、ふと昔からの疑問が頭に浮かびました。
「そうだエド、前から聞いてみたかったんですけど、夜は裸で寝ます?アメリカ映画じゃ大抵の男性が全裸とかパンツ一枚で寝てますよね。あれ、実際にやってる人っているのかな、と疑問だったんですよね。」
するとエドが、
「ああ、裸だよ。シンスケは何か着てるのか?」
と真顔で聞き返します。するとリチャードも、
「僕も裸だよ。だって寝てる時に何かゴワゴワ肌に触るの嫌じゃない?」
ええ~っ?もしかしてアメリカ人男性の大多数は裸で寝てるの?
「娘が大きくなってからは、彼女が突然寝室に入ってきた時に備えてボクサーパンツ履くようになったけど、それまでは全裸だったな。」
とエド。
「私は裸でなんか寝たら、一発で風邪ひいちゃいますよ。」
と言うと、
「シンスケも、20パウンドほど脂肪のレイヤーをまとえば寒くなくなるよ。ところで、部屋の温度はどのくらいにしてるんだ?」
とエドが笑います。
「うちは63度くらいが上限ですね。」
と答えると、エドとリチャードが一斉に驚きの声を上げました。
「そりゃいくらなんでも寒すぎるだろう。70度(摂氏21度くらい)は無いと。」
なるほど。部屋をほっかほかにしておいて、裸で寝るわけね。息が白くなるような室温で布団を何層もかけて寝る、という子供時代を過ごした私には、有り得ない発想です。日本の家は蒸し暑い夏を過ごせるように作られている代わりに、冬は寒いんだよな。
帰宅して、あいかわらずコンピュータで募金活動がらみの調査を続けていた妻にこの話をしたところ、すかさず
「まったく、アメリカ人は…。節電しろよ!」
という突っ込みが返って来ました。同感。
息子の学校で実施した日本救援のための募金活動は大きな成功をおさめ、かなりの額が集まりました。私も千代紙柄の手作り栞を職場の人に買ってもらい、募金を集めました。この活動の中心になっている妻の目下の課題は、
「どうやって無事にお金を日本へ届けるか」
です。アメリカ赤十字は17%の手数料を取ると聞くし、団体によっては「日本に届ける」と明記していないところもある。日本の団体に直接米ドルを届けても意味が無いので、日本に支店があるこちらの銀行を使って海外送金した末に為替交換をしたい。ところが学校での募金はPTAを通しているため、彼らの口座があるチェイス銀行を通さなければならないのだけれど、あいにくチェイスはそういうサポートをしてくれない。…などなど、越えなければならないハードルが多いのです。妻は毎日あちこちから情報をかき集め、最適解を探し続けています。
さて話は変わり、金曜のお昼、エド、リチャード、そしてマリアと一緒にタイ料理屋へ行きました。どんより曇って冷たい風が吹いていて、私はジャンパーの襟を一番上まで閉めて歩きました。席について暫くするとエドが、
「誰かが店のドアを開けっ放しにしたみたいで寒いな。ウェイトレスに言って閉めてもらおうか。」
とキョロキョロし始めました。見ると、そういう彼は半袖のアロハシャツ姿。そりゃ寒いに決まってるだろ!と突っ込みそうになって、ふと昔からの疑問が頭に浮かびました。
「そうだエド、前から聞いてみたかったんですけど、夜は裸で寝ます?アメリカ映画じゃ大抵の男性が全裸とかパンツ一枚で寝てますよね。あれ、実際にやってる人っているのかな、と疑問だったんですよね。」
するとエドが、
「ああ、裸だよ。シンスケは何か着てるのか?」
と真顔で聞き返します。するとリチャードも、
「僕も裸だよ。だって寝てる時に何かゴワゴワ肌に触るの嫌じゃない?」
ええ~っ?もしかしてアメリカ人男性の大多数は裸で寝てるの?
「娘が大きくなってからは、彼女が突然寝室に入ってきた時に備えてボクサーパンツ履くようになったけど、それまでは全裸だったな。」
とエド。
「私は裸でなんか寝たら、一発で風邪ひいちゃいますよ。」
と言うと、
「シンスケも、20パウンドほど脂肪のレイヤーをまとえば寒くなくなるよ。ところで、部屋の温度はどのくらいにしてるんだ?」
とエドが笑います。
「うちは63度くらいが上限ですね。」
と答えると、エドとリチャードが一斉に驚きの声を上げました。
「そりゃいくらなんでも寒すぎるだろう。70度(摂氏21度くらい)は無いと。」
なるほど。部屋をほっかほかにしておいて、裸で寝るわけね。息が白くなるような室温で布団を何層もかけて寝る、という子供時代を過ごした私には、有り得ない発想です。日本の家は蒸し暑い夏を過ごせるように作られている代わりに、冬は寒いんだよな。
帰宅して、あいかわらずコンピュータで募金活動がらみの調査を続けていた妻にこの話をしたところ、すかさず
「まったく、アメリカ人は…。節電しろよ!」
という突っ込みが返って来ました。同感。
2011年3月26日土曜日
Bereavement leave 忌引
先日、私の関わっているプロジェクトに関して複数の人達とややこしいメールの交換をしていた際、ずっと沈黙を守っていた主要メンバーのジムが、最後にこう書いて来ました。
I am on bereavement leave and will not have network access until as late as Thursday.
「木曜まではネットワークにアクセス出来ない」と言っているのは分かったのですが、"bereavement leave” は初めて目にした言葉。さっそく調べました。
Bereave (ビリーブ)は be と reave に分かれ、 reave は中世の英語で「rob (奪う)」と同じ意味だそうです。これが bereave になると「生命や財産を奪う」という意味になり、bereavement は近親者との死別を表す時に使われます。これに leave (休暇)がくっつくと、「忌引」になるのです。
「忌引中で木曜まではネットワークにアクセス出来ない」
と、ジムは言っていたわけですね。
Believe (信じる)と良く似ているけど全く意味が違うので、発音要注意です。
I am on bereavement leave and will not have network access until as late as Thursday.
「木曜まではネットワークにアクセス出来ない」と言っているのは分かったのですが、"bereavement leave” は初めて目にした言葉。さっそく調べました。
Bereave (ビリーブ)は be と reave に分かれ、 reave は中世の英語で「rob (奪う)」と同じ意味だそうです。これが bereave になると「生命や財産を奪う」という意味になり、bereavement は近親者との死別を表す時に使われます。これに leave (休暇)がくっつくと、「忌引」になるのです。
「忌引中で木曜まではネットワークにアクセス出来ない」
と、ジムは言っていたわけですね。
Believe (信じる)と良く似ているけど全く意味が違うので、発音要注意です。
2011年3月24日木曜日
Gut-wrenching 断腸の思い
五日前のこと。数十年来の付き合いである日本の友人夫婦に、とてつもない不幸がありました。何の前触れも無く、かけがえのない我が子との永遠の別れがやって来たのです。知らせを受けてからというもの、気持ちが沈んでなかなか普段のペースに戻れません。想像を絶する悲しみに吞み込まれているであろう友人夫妻のことを思うと、泣けて来て仕方ないのです。
一人オフィスで仕事をしていると、時々ぼおっとしている自分に気付きます。彼らの心中を想像すると、ハラワタが抉られるような苦しさを覚えるのです。誰かに話さないと耐えられないと思い、同僚リチャードを訪ねました。そしてこの心境を英語で何と表現すべきか悩んだ時、熟練PMで日本通のダグが、今回の津波が夥しい数の犠牲者を出したことについて発したコメントを思い出しました。
“It’s just gut-wrenching.”
Gut が「腸」、wrench が「よじる」ですから、「腸をよじるような」悲しさ、辛さを表現しているのですね。リチャードは何度も深く頷いていました。日本語にも「断腸の思い」という言い回しがありますが、日英共通した身体的感覚なのですね。
自分の部屋に戻った後、ふと「断腸の思い」というフレーズの語源が気になって調べました。「語源由来辞典」というサイトに詳しい説明があったのですが、こんな悲しい語源だったとは…。今回のケースにあまりにもあてはまるため、またまた涙が溢れました。
昔、同じく家族に不幸があった知人の女性から、こんなことを言われました。
「どんなに悲しくても、お腹はすくのよね。それに気付いた時、ああ、私達はちゃんと食べて生きて行かなきゃいけないんだなって思ったの。」
生き残った者は、どんなに辛くても前進しなければならない。ちゃんと食べて、ぐっすり眠る。そういう基本的なことを重ねて行くしかないんだよな、きっと。
一人オフィスで仕事をしていると、時々ぼおっとしている自分に気付きます。彼らの心中を想像すると、ハラワタが抉られるような苦しさを覚えるのです。誰かに話さないと耐えられないと思い、同僚リチャードを訪ねました。そしてこの心境を英語で何と表現すべきか悩んだ時、熟練PMで日本通のダグが、今回の津波が夥しい数の犠牲者を出したことについて発したコメントを思い出しました。
“It’s just gut-wrenching.”
Gut が「腸」、wrench が「よじる」ですから、「腸をよじるような」悲しさ、辛さを表現しているのですね。リチャードは何度も深く頷いていました。日本語にも「断腸の思い」という言い回しがありますが、日英共通した身体的感覚なのですね。
自分の部屋に戻った後、ふと「断腸の思い」というフレーズの語源が気になって調べました。「語源由来辞典」というサイトに詳しい説明があったのですが、こんな悲しい語源だったとは…。今回のケースにあまりにもあてはまるため、またまた涙が溢れました。
昔、同じく家族に不幸があった知人の女性から、こんなことを言われました。
「どんなに悲しくても、お腹はすくのよね。それに気付いた時、ああ、私達はちゃんと食べて生きて行かなきゃいけないんだなって思ったの。」
生き残った者は、どんなに辛くても前進しなければならない。ちゃんと食べて、ぐっすり眠る。そういう基本的なことを重ねて行くしかないんだよな、きっと。
2011年3月18日金曜日
オバマがトランプに叱られる
昨日と今日の二日間、息子の通っている小学校で、日本人のお母さんが30人以上集まって募金活動をしました。手作りの栞、折り紙、日本のお菓子などを売ってその収益金を救済・復興活動のために役立てて頂こう、という趣旨。私もわずかながら動物折り紙を製作し、貢献しました。
海の向こうで大勢の人が苦しんでいる時に、青空の下で能天気に暮らしていると、それだけで罪悪感を覚えます。何であれ人のためになることをしていれば、少し気が楽になるのです。ただ単純に仕事に忙殺されるだけでも、心が軽くなるということを今回学びました。
今朝、同僚リチャードとそんな話をしていたところ、彼が昨日テレビで観た大富豪ドナルド・トランプの話題になりました。
「日本が原発騒ぎで大変な緊張感に覆われている時、なんとオバマ大統領はゴルフを楽しんでたんだ。ゴルフ場をいくつも持っている自分が言うのもなんだけど、それはいくらなんでもまずいだろう。今すぐ9アイアンを置いて、お見舞いのために日本へ飛ぶべきなんじゃないかって、苦言を呈してるんだよ。あのトランプだからこそ言えるんだよね。」
こういう場合、前々から予定していたに違いない「お楽しみ」をキャンセルするかどうかは、とても難しい判断だと思います。アメリカ大統領だからまずい?じゃあイタリアの首相だったら?鹿児島県知事とかはどうだろう?どこで線を引くんだろう?
自分だったら、やっぱり行ってしまうかなあ。楽しめるかどうかは別として…。
海の向こうで大勢の人が苦しんでいる時に、青空の下で能天気に暮らしていると、それだけで罪悪感を覚えます。何であれ人のためになることをしていれば、少し気が楽になるのです。ただ単純に仕事に忙殺されるだけでも、心が軽くなるということを今回学びました。
今朝、同僚リチャードとそんな話をしていたところ、彼が昨日テレビで観た大富豪ドナルド・トランプの話題になりました。
「日本が原発騒ぎで大変な緊張感に覆われている時、なんとオバマ大統領はゴルフを楽しんでたんだ。ゴルフ場をいくつも持っている自分が言うのもなんだけど、それはいくらなんでもまずいだろう。今すぐ9アイアンを置いて、お見舞いのために日本へ飛ぶべきなんじゃないかって、苦言を呈してるんだよ。あのトランプだからこそ言えるんだよね。」
こういう場合、前々から予定していたに違いない「お楽しみ」をキャンセルするかどうかは、とても難しい判断だと思います。アメリカ大統領だからまずい?じゃあイタリアの首相だったら?鹿児島県知事とかはどうだろう?どこで線を引くんだろう?
自分だったら、やっぱり行ってしまうかなあ。楽しめるかどうかは別として…。
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