2010年11月30日火曜日

Dog and pony show ちょっとしたプレゼン

昨日カマリロ支社のマイクと電話で話していた時、彼がこんなことを言いました。

So we did a dog and pony show.

文脈から察するに、新しいクライアントを訪ねてプレゼンをした、という意味。この dog and pony show という言い回しは、こんな場面で過去何回も聞いているのですが、一度もきちんと調べることなく今日まで来てしまいました。で、さっそく調査。

もともとは、19世紀末から20世紀初頭にかけて盛んだった小規模な(ライオンや象みたいに立派な動物ではなく、犬や仔馬を見世物にして小さな町を回っていた)サーカス興行を意味していたそうですが、それが転じてプレゼンテーションを指すようになったのだそうです。へえそうなんだ、と納得しそうになったけど、ちょっと待てよ。問題は、この言い回しが「どういう含みをもって」使われるか、です。安っぽいプレゼンなのか、はたまた上出来なプレゼンを指すのか。英辞郎には、「つまらない見世物、新製品の展示(実演)、最高のできばえ」とあります。困ったことに、マイクの発言はどれにも当てはまりません。で、今日の午後、同僚のリチャードとマリアに意見を聞いてみました。

「プレゼン全般に使えるイディオムだよ。砕けたプレゼンにも、正式なプレゼンにも使える表現だね。」
とリチャード。マリアは、
「私のイメージは、色んな媒体を使うプレゼンね。ただ喋るだけじゃなくって、スライドあり、パンフレットあり、って感じかな。」
「ちょっと小ばかにしたような響きがあると思うんだけど、どうなの?」
と私が尋ねると、リチャードが、
「いや、そんなことはないと思うよ。ただ、話し手が冗談めかしてることは確かだな。」

なるほどね。総合すると、こんなところでしょうか。

“So we did a dog and pony show.”
「で、ちょっとしたプレゼンをやったってわけさ。」

違うかな?

2010年11月29日月曜日

Fall into somone’s lap. 労せずして手に入れる。

カマリロ支社のマイクというお偉方から、プロポーザル作成の手助けを頼まれました。今朝電話で彼と話しながら、
「我が社にとっては、初めてのクライアントなんですか?」
と尋ねると、
「ちょっと背景を説明しておいた方がいいね。」
と、プロポーザルに取り掛かることになった経緯を解説してくれました。

このクライアントのプロジェクトを直接受けたことは今までないのですが、我が社のエース級社員が他社の下請けで仕事した際、先方から大変気に入られたらしいのです。で、最近になって大きな仕事が発生したので、「プロポーザルを出してみないか」と声がかかったのだと。新しいクライアントの場合、大抵そこまで漕ぎつけるのがひと苦労なのですが、今回は非常にラッキーだった訳です。それをマイクはこう表現しました。

The opportunity fell into our laps that way.
そんな風にしてチャンスが転がり込んで来たのさ。

調べてみたところ、このFall into one’s lap というのは、「苦労せずに何かを手に入れる」という意味。ふ~ん、なるほどね。しかし私はここで、 “into” に引っかかりました。「中に」という語感とLap とが繋がらないような気がしたのです。だってラップって「膝」でしょ?と。

あらためて調べてみたところ、ラップというのは腰から膝までの間で作られる水平なスペースのことなのですね。よく考えてみれば、「ラップトップ」という表現もあるくらいだから意味は明らかなんだけど、日本語にぴったりした訳が無いので、なかなかイメージがつかめなかったのです。

「膝頭から腰までの間で形成されるスペース」にチャンスが落っこちて来たので、 Fall into と “into” が使われたわけです。これがもし「膝頭」が相手だったら、 “on” じゃないとおかしいですからね(それじゃ何の話か分かんないけど)。

{追記}
同僚のマリアとリチャードに、「この場合、into じゃなくて onto が正しいと思うんだけど。」と言うと、二人とも激しく同意しました。きっと、もともとは lap の上にお盆とか大皿とかを置いて、その上に転がり込んて来たっていう話だったんじゃないかな、ということで全員落ち着きました。

2010年11月26日金曜日

Buff 〇〇大好き人間

先日、オフィスの観葉植物に水遣りに来ているメアリーが、自分の家族の話をしてくれました。その際、こんなことを言ったのです。

My dad is a photography buff.

バフ?何だそれ。写真バフ?まあ文脈から大体想像はつくのですが、初めて聞く単語なので、さっそく調査。

Buff というのは、バッファローの毛皮のようなベージュ色のこと。俗語で、ファン、マニア、〇〇狂、という意味になるそうです。ウィキペディアによれば、そういう意味で使われ始めたきっかけというのが、ニューヨークの有志の消防隊員が着ていたユニフォームの色がBuffだっということ。彼らが夢中で火に飛び込んで行く様子から、何かを熱狂的に好きな人のことを指すようになったのだそうです。

動詞の場合、靴などを布で磨くという意味になります。さらに調べを進めると、最近じゃこれが、「いいカラダしてる人」のことを指すようにもなってるらしいのです。「今度転校して来た女、 Buff だな。」などと言うんだと。男の場合は、「筋肉のついたカッコイイ身体の奴」となります。更にこれが “in the buff” となると、「裸で」という意味になるそうです。

「さて皆さん、もうこれで “Buff buff buffing in the buff” の意味、分かりますよね?」という問題がBBCのサイトに出てました。

わかります?

Catch someone off guard 不意を衝く

私の直属の上司はリックで、そのボスはクリス、そのボスはエリックで、そのまたボスはジョエルです。先週末、そのジョエルから私のブラックベリーにメールが入ります。
「シンスケ、C支社の社員にプロジェクトマネジメントの基礎トレーニングをやってくれないか?」

支社長だったブライアンが去り、後釜が決まるまでジョエルがこの支社の面倒を見ることになったのです。
「ここの社員達は、今までちゃんとしたトレーニングを受けて来ていないことが分かったんだ。今週中に2時間ほどクラスをやってくれると助かるよ。」
C支社は、砂漠地帯近くの小さな街にあり、ロサンゼルスやサンディエゴなどと違って、公式のトレーニングが開催される機会が稀なのです。

そんな訳で、火曜日に車を二時間走らせ、C支社へ行って来ました。生徒は20人ほど。古参の社員も混ざっています。驚いたことに、大ボスのエリックまで座っています。彼はジョエルに言われて時々C支社の様子を見に来ることになったそうで、たまたまその日来ていたのだとか。エリックは、会議室のスクリーンの前に立って自己紹介した後、私の紹介をしてくれました。
「シンスケはプロジェクトマネジメントのグルで、グレートな教師です。みんなしっかり学んでくれよ。」

私は、その大仰な肩書きに苦笑いしながら彼からバトンを受け取ろうとしたのですが、急に思いついてこう言いました。
「そうだエリック、 Safety Minutes をやってくれませんか?」

セイフティ・ミニッツというのは、安全に関する小話です。こないだこんな危ないことがあった、気をつけよう、などという啓発的な話題を提供するためのもの。会社の規則で、会議やトレーニングの前に必ずやらなければならないことになっています。参加者の誰が話してもいいのですが、大抵司会者が自分でやるか、誰かに振るかしています。私が進行する場合、必ず誰かに振って来ました。今回たまたま、大ボスのエリックに投げちゃったのです。エリックは一瞬、当惑の表情を浮かべてこう言いました。

“Oh, you caught me off guard.”

直訳すれば、「防御してないところをつかまった。」でしょうか。オフガードですから、ボクシングで言えば腕をだらりと下げた状態ですね。意味は、「不意を衝かれた」とか「油断してるところをやられた」。エリックは、その一秒後に涼しい顔ですらすらとセイフティ・ミニッツを始め、さすが百戦錬磨のツワモノだ、と私を感心させてくれました。

今後、まさか自分が指名されると思っていなかったところでスピーチを頼まれた時、このフレーズを使ってわずかばかりの時間稼ぎをしようと思いました。

2010年11月25日木曜日

Etch エッチする?

先週、地元の図書館で本を借りました。カウンターには、まるでパーティー用の仮装みたいな白い顎ヒゲを蓄えた白人のお爺さんが座っていて、よく人の借りる本を見ながら、
「うん、これはいい本だね。この作者の本で〇〇というのもあるけど、もう読んだかい?」
などと気さくに話しかけて来ます。長い列が出来ていても全く気にせずお喋りしているので、ちょっと苛立つこともあります。

この日も、私の前に並んでいた女性と楽しげに、延々と話していました。ようやく私の番が来て、爺さんはバーコードをスキャンした後、明るくこう言いました。
「OK、あんたの本の返却日は、ちょうど真珠湾記念日(Pearl Harbor Day)だよ。」
そしてチラッと私の顔を見上げ、私が日本人であることに気付いたのか、ハッとしたような表情になって黙りました。サンキューと言って立ち去ったのですが、ちょっと考え込んでしまいました。

うちの会社には、Floating Holiday という特別有給休暇制度があります。これは多様な国籍や宗教を持つ人のためにあるような制度で、例えば「中国暦の元日」とか「メキシコ独立記念日」とかの中から一日選んで有給で休めるわけ。11月初旬に人事から一斉メールが届きました。
「今年の Floating Holiday をまだ取っていない人は、急いで下さい。年末までに消化しないと、権利が失効しますよ。」
残っているチョイスを見たら、11月11日の「復員軍人の日」それに12月7日の「真珠湾記念日」しかありませんでした。何となく後者を選ぶ気になれず、前者を採りました。日本人は、原爆記念日に会社を休むって無いよなあ…。

“I guess that the Pearl Harbor Attack is deeply etched in people’s minds.”
「あらためて思うんだけど、真珠湾攻撃ってのはアメリカ人の心に深く刻み込まれてるんだね。」
同僚ラリーと食事に行った際、こう話しました。図書館での一件も付け足すと、
「うん、そうだね。でもさ、その人がどうかは知らないけど、今のアメリカ人は真珠湾記念日を一般の祝日と同列に意識してると思うよ。日本人を責める気持ちなんて無いと思うな。」
と彼が答えました。実は私、この時とっさに Etch (刻み込む)という言葉を使ったのですが、正しい使い方なのかどうか不安でした。ラリーに確認したら正解で、ホッとしました。

Etch というのは銅版などに絵を刻む「エッチング」で知られていますが、「刻む」という意味です。Be etched in someone’s mind. で「心に刻み込まれる」となるわけですね。初めて使ったこの表現がしっかりと状況に即していたので、とても強く記憶に残りました。

一度「エッチする」と、忘れられないものですね。

2010年11月22日月曜日

Credit is given where it’s due. 称賛は功労者に与えられるべし。

先日の朝、ロングビーチ支社のサラからメールが届きました。
「ブライアンが、彼のプロジェクトの財務状況を分析してレポートを作ってくれって言ってるの。分析項目の中に、私には理解出来ないことがいくつもあるのよ。助けてくれる?午後の会議に間に合うよう、どうしてもお昼までに必要なの。」
時計を見ると午前10時。よっしゃ任せろ!こういうの、燃えるんだよな。

超特急で仕上げて11時過ぎに送信。
「ブライアン、喜んでたわ。どうも有難う。シンスケのこと、ちゃんと言っておいたから。」
「そういうのは、自分がやったことにしとけばいいんだよ。」
するとサラが、こう返信してきました。

Credit is given where it’s due.
称賛は功労者に与えられるべし。

この「クレジット」ですが、実は長年の頭痛の種なんです。映画の最後に製作関係者の名前のリストを流す習慣がありますが、英語でこれを “Closing Credits” とか “End Credits” と呼びます。どうしてここでクレジットって言葉を使うのかな、とずっと疑問に思ってました。だって、クレジットといえばクレジット・カードでしょ。「信用」って意味で。繋がりが全然分からないんです。そもそもクレジットは「信じる」という意味のラテン語 Credere から来ているそうなのですが、エンド・クレジットで製作者を紹介するのは、「功績を認める、称える」です。「信じる」と「称える」の間には、かなりの隔たりがあります。同僚のリチャードにそのへんを聞いてみたんですが、
「そうかなあ。僕には何の不思議もないけどなあ。」
と、私の疑問自体が理解出来ない様子。

色々調べたんですが、

Give someone credit for something.
誰かに何かについてのクレジットを与える。

の意味が、

to believe that someone is good at something or has a particular good quality
誰かが何かに長けている、または特に優れた素質を持っていると信じること。

と説明されているものがあり、これで何とか少し落ち着きました。「信用できる」から「偉い」、「偉い」から「褒める」。そういうことでしょう。この三段論法、ちょっと強引過ぎる気がするんだけど…。

引き続き調査を進めます。

2010年11月21日日曜日

アメリカで武者修行 第30話 次の一手でとどめを刺すの。

少し体重を増やした上機嫌なロバート・デニーロ、といった風貌のエド。人柄の良さが、その笑顔から滲み出しています。彼のところで働くというのが具体的にどんな仕事をすることなのか、全く想像がつきません。しかしこちらは失職寸前の身、この際何だってやります。その意気込みを激しく伝えたところ、
「それは良かった。来週ゆっくり話せるかな。」
ちょうど一週間後の朝一番、彼のオフィスを訪ねることになりました。

エドが去った後、さっそくケヴィンに電話で報告します。彼はすっかり現場事務所から足を洗い、今ではサンディエゴ支社に自分の部屋を与えられて、バリバリ仕事しています。
「やったな。シンスケがエドに雇ってもらえば、俺達また同じオフィスで働けるぞ!」
電話の声が弾んでいます。

そのケヴィンから、エドとの面会の前日に電話がありました。
「さっきエドと話したよ。彼は君との面接で、プロジェクトマネジメントに関する知識を試すつもりらしいぜ。ちゃんと予習しておいた方がいいな。」
「えっ、面接?」
私はてっきり、自分が今までやって来た仕事のことなどを聞かれるのだと思っていました。「ゆっくり話そう」というのは、適性を見るための面接のことだったのです。冷静に考えれば当たり前の話です。危ない危ない。この期に及んで、自分は一体何をやってたんだ?折りも折り、PMP受験のためにと注文しておいたプロジェクトマネジメントの参考書が届いたので、その夜、超速読を開始。一晩かけて基礎知識を頭に詰め込み、エドとの面接に臨みました。

「オフィスビルを建てるとして、君はどうやってスケジュールを作る?」
「アーンド・バリューとは何?」
「クリティカル・パスとは何か説明してくれ。」

一夜漬けが功を奏し、すべての質問に何とか答えることが出来ました。ケヴィンからのインサイダー情報がなかったら、悲惨な結果に終わっていたことでしょう。またしても彼に、すんでのところで救われたのでした。
「君とはうまくやっていけそうだ。さっそくボスに話してみるよ。」
と、笑顔で立ち上がって握手を求めるエド。え?これってOKってこと?失業を免れたのかな?よく分からないまま、ひとまずその場を去りました。

一夜明けて木曜の朝、出勤早々リンダが私のところへやって来て、早口でこう告げました。
「マイクが月曜にイラクへ発つことになっちゃったの。これからサクラメントへ行って来るわ。彼が出発する前にやらなきゃいけないことが、山ほどあるから。」
そして、あっという間に姿を消したのでした。クレーム作成が佳境に入っていただけに、この行動は意外でした。イラクへ行くのはマイクなのに、なんでリンダまで仕事を抜けなきゃならないんだ?と。ところが、空港まで彼女を送ったティルゾから、翌月曜の朝、こんな話を聞き仰天。
「リンダとマイクは、土曜に結婚したんだよ。」
「え?ちょっと待って。どういうこと?」

そもそもマイクとリンダは夫婦でも何でもなく、最近別れたりくっついたりしてたのは、「恋人」という間柄でのことだったのです。去年の暮れにプロポーズを受けていたリンダは、マイクから水曜の夜、「月曜の出発が決まった」という電話を受けてようやく結婚を決意。翌朝大慌てで牧師の手配をし、航空券を電話注文。そしてティルゾの運転でサンディエゴ空港に向かう途中、ショッピングモールに寄ってティファニーの結婚指輪を一対購入したのだそうです。
「空港へ行くまでの限られた時間に、結婚指輪を選んで買っちゃったんだよ。30分くらいだったかな。大した決断力だよね。まあ僕も一応指輪選び、手伝ったけどさ。」
と笑うティルゾ。

結婚指輪を携えサクラメントに到着したリンダは、翌日の金曜にダウンタウンで花嫁衣裳を買い、土曜日にマイクとタホ湖まで走り牧師と落ち合って、湖畔で式を挙げたそうなのです。そして月曜の朝、イラクへ旅立つマイクを空港で見送った後、午後一番で職場に戻って来ました。
「おめでとうございます。」
と言いかけた私を遮り、
「さあ、クレームを仕上げるわよ!」
と真顔でハッパをかけてきた時には、やはりこの人はタダモノじゃないな、と感心しました。

そして遂に、70ページを超えるクレーム文書が完成しました。原契約額とほぼ同額、日本円にして数億の追加請求。これを元請け会社の役員全員に宛て、フェデックスで送りつけたのです。ティルゾとリンダとで、会議室にこもってフェデックスの箱にひとつひとつ書類の束を詰めながら、
「ジャンの奴、きっと怒り狂うだろうな。彼の顔は確実に潰れますね。」
と私が言うと、
「喜ぶのはまだ早いわ。これで終わりじゃないわよ。敵は必ず反撃してくるから、すぐに二の矢の準備を始めましょう。」
とリンダ。

ところがその翌日、衝撃的なニュースがオフィスを駆け巡りました。ジャンが更迭されたというのです。私達が文書をこっそり箱詰めしていたちょうどその頃、宣告が下っていたことになります。ティルゾの入手した内部情報によれば、平社員に降格され、どこか砂漠の真ん中にある事務所で資料整理の仕事をすることになったとか。リンダが静かに言いました。
「この手で引導を渡せなかったのは残念だけど、このクレーム文書は彼の刑期引き延ばしに、きっと貢献してくれるでしょう。」

さて翌週、エドに電話して様子をうかがいました。不安を抱えて一週間待った上でのこと。
「まだ結論は出てないけど、大丈夫だと思うよ。三月からここで働いてもらうつもりだ。ただ、こういうのは手続きが必要なんだ。結論はもうちょっと待ってくれないか?」
との返事。新しいポジションに人を雇う場合、一般広告を出して募集をかける決まりになっているというのです。その上で私を超える候補者が現れなければ、最終決定となるわけ。帰宅して妻に話すと、
「でも、外部から飛びきりの実力者が応募して来ちゃったらどうなるの?」
と心配そうです。
「その人とも面接してから決めるんだろうね。」
「じゃあ、失業する可能性はまだ残ってるってことね。」
「残念ながらそういうことだな。」
妻の不安は当然です。溺れる寸前に投げ込まれた一本のロープ。家族三人、立ち泳ぎしながらこれにつかまって、船上のエドがぐいと引っ張り上げてくれるのを、ただただ祈るだけの状況なのですから。

一方、我々が渾身のクレームレターを送りつけた一週間後、元請けのORGからようやく返事が届きました。差出人は、元請会社の重役です。
「何かの間違いでは?おっしゃっている意味が分かりません。どれもこれも、身に覚えのない話でございます。お宅の方で、もう一度よくお調べになってはいかがですか?」
と、恐ろしくすっとぼけた内容。
「よくもここまで誠意の無い手紙を公式に送って来れますね。この神経の太さには呆れますよ。」
と憤る私。しかしリンダは冷静です。
「こうやってしらばっくれるのは、すぐに反論出来ないっていう何よりの証拠よ。私達がクレーム文書を用意してることを察知して、すぐにトカゲの尻尾を切ったんでしょうね。そうして暫く知らぬ存ぜぬで通し、反撃材料を探すための時間稼ぎをしているのよ。さあ、クレームレター第二弾を仕上げましょう。次の一手でとどめを刺すの。仕事にかかるわよ。」

2010年11月19日金曜日

Straw that broke the camel’s back ついに堪忍袋の緒が切れた

昨日の朝、同僚のジムからこんなニュースを聞きました。
「C支社が年明けに閉鎖され、オンタリオという街に引越しすることになったそうだよ。支社長のブライアンは月曜に解雇されたんだって。」

ブライアンとは過去7年以上割りと仲良くしていただけに、ショックでした。
「何でクビになったの?」
「さあね。上と色々やりあったような話は聞いたけど…。」

ジムの話の裏を取るため、C支社に勤務している古参社員のボブに電話してみました。
「ああ、その話は本当だよ。」
「どうしてブライアンは辞めなきゃいけなかったの?」
「これまで何度も上層部とぶつかって来た挙句に、今回、突然の引越しの話だろ。プツンと来ちゃったんだよ。我慢の限界だったんだろうな、ブライアンも。」

この時ボブが使ったのが、この表現。

It was the last straw that broke the camel’s back.

瞬間的に頭に浮かんだのは、「ラクダの背中のコブを割ってストローで中の水を飲む」ビジュアル・イメージでした。いやいや、そんなわけは無い。ストローというのは麦わらのことに違いない。直訳すると、「最後のわら一本で、ラクダの背骨が折れちゃったんだよ。」つまり、輸送手段であるラクダに荷を積み過ぎ、最後に載せた一本の麦わらで、とうとう動けなくなった、という状況ですね。「我慢の限度を超えた」とか「堪忍袋の緒が切れた」という意味です。これ、前に何度か聞いたことがある言い回しなんだけど、英語の慣用句にラクダが登場するのはちょっと違和感があります。英語圏に、かつてラクダで荷物運びしてた国ってあるのかな?

そう不審に思って語源を調べてみました。またしても諸説紛々。一番多く見かけたのは、1848年に書かれたチャールズ・ディケンズの「ドンビー父子」が元だという説明。

でも、この本バカ売れしたって話、聞いたことない。ミリオンセラーならまだしも、これが語源だとはとても信じられません。

ウィキペディアには、「アラブのことわざから来ている」とあり、そうだろうそうだろう、と納得しかけたのですが、「要出典」と添えてあります。ダメだ。ここで語源探求を断念。いつかアラブの友達が出来た時、聞いてみます。

2010年11月15日月曜日

Knock your socks off. 靴下脱がしちゃうわよ!(?)

今朝、IT担当のエレンから、経理のベス経由でこんなリンク付きメールが届きました。
「このビデオ見て。すごいわよ!」

そしてこう続きます。

“Take your socks off before watching or they'll be knocked off if you don't !!!!”
「見る前に靴下脱いでね。さもないと脱がされちゃうわよ!」

はぁ?エレンったら、一体何の話してんだ?さっぱり訳が分かりません。ちょっと調べてみたところ、Knock someone’s socks off で、「あまりの素晴らしさに仰天させる」という意味であることが分かりました。エレンは、これを少しいじって文章を面白くしたのです。

リンクをクリックしてビデオを見てみると、若い女の子たちが大勢で縄跳びしてます。それが、そんじょそこらの縄跳びじゃない。まるでオリンピックのシンクロ団体競技を見ているようで、観客の熱狂ぶりも伝わって、思わず拍手喝采。

興奮さめやらぬ中、この “Knock someone’s socks off.” という言い回しについて調べてみました。語源を探すのが一苦労で、諸説見つかったのですが、中にはこんなのもありました。

「昔のポルノ男優は羞恥心の表れか、靴下を履いて演技していた。しかし内容が素晴らしい場合、彼らもつい本気になって靴下を脱いだ。」

な~に言ってんだ、そんな無茶苦茶な説明があるかよ、と呆れつつ他を探すこと数時間。遂に発見したのがこれ。

「19世紀半ば、靴下は貴重品だった。街で殴りあいの喧嘩があった場合、負けた者は気絶している間に靴ばかりか靴下までむしり取られた。これが、ボクシングの試合で対戦者を圧倒的にやっつける、という意味に変わり、更にはひどく感動(感心)させる、と変化して行った。」

これでしょ、これ!そもそも “Knock Off” というのは「叩き落とす」とか「払い落とす」、という意味なので、靴下を「脱がしちゃう」なんていう甘っちょろいニュアンスじゃないんだよな。

とってもすっきりしました。

2010年11月13日土曜日

アメリカって国は…。

知り合いからキャンプに誘われたので、寝袋を買いにウォルマート(巨大ディスカウントストア)に行って来ました。アウトドア・セクションの釣り道具売り場と背中合わせに、こんな物が無造作に並べられていました。ひえ~っ。