2011年3月2日水曜日

Knockoff コピー商品

同僚達4人と一緒にランチに出かけた際、マリアがロスで目撃した男性の話題になりました。
「チャイナタウンの外れの辺なんだけど、大きな布袋を三つくらい抱えた人がうろうろしてるの。彼がおもむろにその袋を下ろして、歩道の上に広げ始めたのね。そしたらどんどん人だかりが膨らんで行って、私もつられて見に行くと、ロレックスの時計がごっそり並んでるのよ。もちろんマガイ物だと思うけどね。」
最近の模造品は本物と全く見分けがつかないそうで、飛ぶように売れていったのだそうです。
「でも、何の合図があったのか、突然その人が手早く店じまいしたかと思うと、物凄い勢いで駆け出したのよ。反対の方向に目をやると、警官が一人追いかけて来て、そのへんにいた人たちも、蜘蛛の子散らすようにいなくなっちゃった。」

きっと彼は地元で知られた常習犯なんじゃないの?という話になったのですが、私はこの時マリアが盛んに使っていた、

Knockoff (ノックオフ)

という言葉が気になりました。これは「模造品、偽者、コピー商品」という意味なのですが、

“Knock it off!”
「やめろよ!」

のような「中断する」という意味とはかけ離れています。なんでそれが名詞として使われると「コピー商品」になるの?と質問したのです。その場にいた全員(エド、エリカ、ラリー、そしてマリア)が黙ってしまいました。さっそくエリカがiPhone で調べたのですが、語源が不明です。四人のアメリカ人に分からない物を、私に分かるわけがない。で、諦めました。

そこで思い出したのですが、先日マットレス屋でTempur Pedic (テンピュール)のマットレスを物色していた際、アラブ系のセールスマンが盛んにアピールしてたのが、「Knockoff との歴然たる差」でした。

「マガイ物だとこうは行きませんよ!どうです?違いを体感していただけました?」

店を出る頃までには、かなり不快になっていました。コピー商品との差を連発するなんて、あまり頭の良いセールス法じゃないと思います…。

結局、別のお店に行って気持ちよく購入しました。

2011年2月24日木曜日

Fly under the radar 目立たないように行動する

今月から、ボスのリックが毎週火曜に彼の配下全員を集め、定例会議をすることになりました。今週の会議では、同僚アンの取り組んでいるプロジェクトが業界のアワード対象になるのではないか、という話題になりました。
「珍しい技術を使ってるんだから、これはいけるよ。応募に向けて動いてるか?」
と問いかけるリックに対し、アンが答えます。
「技術導入の成果がまだはっきり出ていないから、ちょっと早いと思うの。」
リックが理解を示し、こう言いました。

“OK, keep it on your radar.”

「レーダー上に捉えておけ。」か?これに似た表現を、かつて同僚マークから聞いたことがあります。彼はレポート義務の生じないような小さなプロジェクトばかり担当している者を非難し、

“They are flying under the radar.”

とコメントしたのです。この時私は “under the radar” と “on the radar” の区別がつかず、彼の発言の真意を理解出来ませんでした。レーダーの上にいるか下にいるかで、どう違うのか。今日、きちんと調べました。

On the radarは「レーダー上に姿が映っている」
Under the radarは「レーダーをかいくぐっている」

そういえば、戦闘機が超低空飛行によってレーダー網をかいくぐるって話をよく聞きますね。それで納得です。

そんなわけで、今回のリックの発言は、

“OK, keep it on your radar.”
「よし、忘れないよう気にしておいてくれよ。」

という意味。一方マークが言ったのは、

“They are flying under the radar.”
「あいつら、目立たないように上手いことやってるんだよ。」

ということですね。

2011年2月23日水曜日

Under the weather 体調が悪い

昨日の朝、同僚のPM、ララのレポート作成を手伝いました。彼女はつい二週間前に手術を受けたそうで、先週末に復帰したとのこと。こういう場合、ストレートに病名を尋ねるわけにはいかないので、
「もうすっかり良くなったの?」
とだけ聞きました。彼女の返答がこれ。

“I’m still under the weather.”

直訳すると「まだ天気の下にいるの。」ですが、意味は「まだ本調子じゃないの。」です。これまで何度も耳にして来た表現なんですが、この時初めて疑問が湧きました。なんで Weather なの?と。

さっそくネットで調べたところ、本流とされている語源は次のようなもの。
「船乗りが荒天のために気分が悪くなった時、船室に入って休むように言われた。船室は風雨の影響を受けないため、under the weather に避難したわけである。」
ふ~ん、そうなのか。でもなんだかちょっと腑に落ちないなあ。船室で休んでれば、そのうち具合が良くなるわけでしょ。
「彼はどうした?」
と聞いて
「まだ船室にいるんだ。」
と言われたら、具合が良いのか悪いのか判断に迷うと思うんだけど…。さぼってるだけかもしれないし。

こんな説を唱える人もいます。
“The phrase under the weather originally had nothing to do with weather. the correct phrase is under the wether. It refers to the fact that female sheep resist the efforts of the castrated male sheep to mount them. When the female is so ill that she cannot resist the wether's attentions, she is literaly under the wether.”
「このフレーズ、もともと天気とは関係ありません。正解はWether (去勢されたオスの羊)。体調の悪いメス羊は、Wether にのしかかられても抵抗できない。だから具合が悪いことを Under the wether と言うんです。」

うっそつけ~!

2011年2月21日月曜日

Piggyback 抱き合わせる

先日の電話会議で、大ボスのクリスがこんな発言をしました。

“You could piggyback his letter.”

PMのエリックに対して、〇〇が既にクライアント宛の手紙を書いているから、それをピギーバックするといいよ、と忠告したのは分かったのですが、このキーワードが分からなければ、クリスの発言全体を理解出来ません。「小ブタの背中」じゃ意味が通らないし…。

さっそくネットで調べたところ、語源不明とされながら、そもそも「背負って運ぶ」という意味であることを知りました。もともとは16世紀に使われていた、“pick pack” とか “pick back” とか “pick-a-pack” が始まりらしく、18世紀になって「ピック」が「ピッグ」にすり替わっちゃったのだそうです。ブタとは何の関係もなかったのだ!

弁護士の同僚ラリーを訪ね、クリスの発言の解説をお願いしました。
「それは、他の人の書いた手紙を自分のに合体させたらどうか、という提案だと思うよ。」
なるほど、「別の手紙を背負う」、つまり「別の手紙と抱き合わせる」ということですね。ラリーがさらに説明を続けます。
「これ、一般には子供を背負った親を指して使うことが多いね。」

そこで私は、はたと考え込みます。
「ちょっと待って、ラリー。日本では、肩に乗せるのと背負うのとでは違う言葉を使うんだけど、Piggyback はどっちなの?たとえば誰かが窓の外を見ながら“He’s piggybacking his son.” と言ったとするでしょ。ラリーからはそれが見えない場合、どういう格好を想像する?」
「う~ん、それは見てみないと分かんないなあ。どっちもpiggyback だからねえ。」

ええ~っ?肩車もおんぶも同じなの???「パパ、おんぶして!」とせがまれた時と、
「パパ、肩車して!」と言われた時じゃ、身構え方が全然違うでしょ。アメリカ人パパはどうするんだろう?

2011年2月20日日曜日

Neighborhood Gem 隠れた名店

昨日、妻と一緒にフランス料理店 “La Bastide Bistro” でランチを食べました。私のかつての職場のすぐ近くにありながら、一度も訪れたことがなかったレストラン。ドアを開ける気にもならないほど陰鬱な店構えで、どう見ても寂れた二流どころなんです。数年前、どこかから評判を聞きつけた妻が、一回行ってみようよと興味を示したのですが、ずっと延ばし延ばしにしていたのです。

妻がクレープ、私が海老とスモークサーモンのリングイニを注文。フランス料理屋でパスタなんてね、と笑っていたのですが、これがもう言葉を失うほどの美味。パスタの茹で加減といい、海老のプリプリした歯ざわりといい、硬過ぎず、ソフト過ぎずのサーモンといい、非の打ち所が無い。ディルの入ったクリームソースは、魚介のエキスが深い味わいを演出していて、さすがフレンチ!途中で妻と皿を交換し、クレープも食してみたのですが、これまた絶品。二人で顔を見合わせちゃいました。いやあ、すごい穴場を発見しちゃったぜ!

「これこそ neighborhood gem だね。」

と私。このフレーズ、最近あちこちで聞くようになり、響きがカッコイイので使い始めました。Neighborhood が「近所の」で、gemが「宝石」ですから、「近所の宝石」、つまり繁華街やショッピング・モールで煌く一流人気レストランに対抗する、知る人ぞ知る隠れ家的名店のことですね。

とってもシアワセなランチタイムだったのでした。

2011年2月19日土曜日

Lenient 甘い、寛大な

先週、東海岸でスタートしたある巨大プロジェクトのレポートをオンラインでチェックしていたところ、数字の積み上げ方がいい加減なのを発見しました。このプロジェクトは今月から月次レビューを受けることになっているため、さっそく電話会議のセッティングを担当しているエリカに連絡しました。
「あら本当ね。教えてくれて有難う。」
「大事なステップをひとつ飛ばしてるから、最終予測コストの計算がちゃんと出来ていないんだ。PMに言って直してもらわなきゃ。」
「そうね。でも明日の朝一番でレビューがあるの。今から修正しても間に合わないわ。」
「PMにはせめてレビューの前に、ミスを認識してもらっておいた方がいいよ。」
「このプロジェクト、レビューを受けるのは今月が初めてなの。とりあえず今回はパスすると思うわよ。」

ここでエリカが使った表現がこれ。

“The reviewers have been lenient to beginners.”

ん?リーニエント?この単語、聞いたことは何度もあるんだけど、きちんと意味を調べたことはありませんでした。さっそくオンラインでチェックすると、「甘い、寛大な」とあります。「寛大な」はジェネラスじゃなかったの?と思ってこれを調べると、確かに「generous 寛大な」とあります。同僚リチャードのオフィスを訪ね、このふたつの違いは何?と質問。

「リーニエントは、普通なら厳しく対処してもおかしくないところを大目に見るってことだよ。たとえば、裁判官が情状酌量で犯人の刑期を軽くした場合、リーニエントを使うんだ。一方、成功した人が慈善事業に巨額の寄付をした場合、ジェネラスを使うね。」

なるほど。同じ「寛大」でも、その対象がどんな状況にあるかで違うのね。エリカの言ったのは、こういうことでしょう。

“The reviewers have been lenient to beginners.”
「レビュー担当者たちって、初心者には甘いのよ。」

Keep squeaking! キーキー叫び続けろ!

先日の電話会議で切れ者PMのキャスリンが、クライアントとの関係についてこう述べました。彼らとは非常に良い関係を続けているけど、会議の席では、過去にあったある事件を必ず蒸し返し、我々がした余分な仕事への報酬が支払われていないことに注意を向けさせている、と。

ここで進行役のボブが合いの手を入れます。

“The squeaking wheel gets the grease.”

これは非常に良く耳にするイディオムです。

「よく軋む車輪は油をさしてもらえる。」

つまり、キーキー叫んでたらそのうち面倒見てもらえるもんだ、ということですね。ボブのコメントに飛びついた大ボスのチャックが、こうキメました。

“Keep squeaking!”
「キーキー叫び続けろよ。」

そんなわけでキャスリンは、クライアントとの会議のたびにキーキー言う約束をさせられたのでした。

2011年2月17日木曜日

War story 苦い経験談

今朝は、電話会議による月次プロジェクト・レビューがありました。担当プロジェクトが間もなく終了する旨説明したPMのエリックに対し、西海岸を所掌する大ボスのチャックが、こう質問しました。
「下請けをクビにする話はどうなったんだ?」
「来週決着をつけます。問題なく処理できると思います。」
そうエリックが答えると、財務のトムが口を挟みます。
「前にもこの話はしたと思うけど、慎重に動いた方がいいぞ。」

ここでチャックが満を持して、「下請けを軽く見たためにとんだしっぺ返しを食った」昔話を披露しました。身の毛もよだつ恐怖体験談に皆が静まり返った後、進行役のボブが、
「俺にも似たような経験があるぞ。」
と、すかさずとっておきのエピソードを紹介しました。この時の会話で、チャックとボブの両方が使ったフレーズがこれ。

“Let me share my war story.”

直訳すると、
「俺の戦争体験を聞かせてやろう。」
ですが、ここで使われている War Story とは、「苦い経験談」のこと。要するに、似た状況で自分はイタい失敗をしたから、同じ過ちをエリックに繰り返させないために、教訓を伝えてあげたのですね。

これまで、「教訓」という意味の英語表現としては“Lessons Learned” しか知りませんでした。シンプルながらインパクトの強いバリエーションを有難う!

2011年2月16日水曜日

I’ll take you up on it. 申し出をお受けします。

昨日、東海岸の熟練PMスーザンがプロジェクト予算の積み上げで悩んでいたので、経理のパトリシアがメールでこう言いました。
「シンスケがこういうの得意だから、彼にやってもらうといいわ。」

そこで返ってきたスーザンのメールがこれ。

“OK. I’d like to take you up on it.”

テイク・ユー・アップ・オン???ひとつひとつは何てこと無い単語なのに、合体すると全く意味不明。こういうのに出くわすたびに、英語上級者への道のりの険しさにため息が出てしまうのですね。

で、いつものように同僚ラリーに質問。すると、
「オファー(申し出)を受けます、っていう意味だよ。」

え~?どうして?何でそうなるの?一生懸命動作を視覚化しようと試みる私。

“Take you up”
「あなたをつかまえて持ち上げて」
“On it”
「その(申し出の)上に置く」

う~ん、もう一息で関連付けられそうなんだけど、今ひとつピンと来ない。今朝同僚リチャードをつかまえて尋ねたところ、
「そんなの分解してもダメだよ。ますます分からなくなるじゃない。フレーズを丸ごと憶えなきゃ。」
と忠告されました。そういうの、苦手なんだよな。
「良く使う表現なの?」
「うん、すごく良く使うよ。」
とリチャード。

というわけで、構造的なアプローチを捨てて、そのまんま憶えることにしました。悔しいです!

2011年2月15日火曜日

First and foremost 一番にして最重要の

今日のWall Street Journal。エジプト関連の記事に、こんな文章がありました。

He recently pledged the Brotherhood would “continue to raise the banner of jihad” against the Jews, which he called the group’s “first and formost enemies.”

エジプトのイスラム同胞団がユダヤ人を「最大の敵」と呼んでいる、という話なのですが、気になったのはこの、

“First and foremost”

というイディオム。これ、実に頻繁に聞く表現なんです。たとえば、

First and foremost, I want to say thank you.

みたいに。さっそく調べたところ、first もforemost もほぼ同じ(真っ先に、とか第一に、とかいう)意味。これは良く言うredundant (冗長)な言い回し(「頭痛が痛い」とか「危険が危ない」とか)ではないか、と不審に思い、弁護士の同僚ラリーに質問しました。

「そう言われてみれば確かにそうだねえ。我々ネイティブは平気で使ってるけど、文法的に正しいとは言えないよね。」
と笑い、こう付け足しました。
「要は、似た単語を畳み掛けることによって、そこにこめられた意味を強調してるんだよね。一番の敵、じゃ言い足りない。一番にして最重要の敵、と表現することによってどんなに憎らしいかを相手に伝えようとしているんだ。」

そういうの日本語にもあると思うよ、と言おうとしたけど、咄嗟に良い例が浮かびません。ああ、こういう時、さらっと気の利いた発言がしたいんだよなあ!