久しぶりに休暇を取り、ソノマ・カウンティに来ています。ここは全米最大のワインの産地。ワイン商の友人マイケルの一家と一緒に、7人でのロードトリップ。ここ数か月間働きづめだった私にとって、これは待ちに待った骨休めです。なだらかにうねるブドウ畑の間を縫う細い道路をゆっくりと進みながら、巻ききったゼンマイがゆっくりとほぐれていくのを感じる日々。
「ゴッドファーザー Part II」の開始15分、タホ湖に面したコルレオーネ・ファミリー邸でのパーティー場面が出て来ますが、そこでバンドが演奏していたステージを模した設えが、ワイナリーのプールサイドに作られています。
二階のバーカウンターでワイン・テイスティングの後、一階のレストランへGo!
牛ステーキ、ラム、サーモン、パスタ、と色々注文しましたが、どれひとつとっても絶品。デザートのパンナコッタに至るまで、皆で顔を見合わせていちいち絶賛してしまうほどの傑作です。アメリカでこんなに美味しい料理を出す店があったなんて!
余韻にひたりつつ、二階のゲストハウスへ移動。ここは一般公開されていないのですが、コッポラ氏と仲の良いマイケルのおかげで、一泊させて頂きました。
月曜の朝はレッドウッドの巨木が茂る森を散策した後、Paul Hobbs(ポール・ホブス)氏のワイナリーへ。私の妻はこの人のPino Noir (ピノ・ノワール)が大好きで、今年のバレンタインに一本プレゼントしたばかり。
収穫の終わったブドウ園を子供たちが駆け回って遊んでいる間に、大人4人は高級ワイン(シャルドネ、カベルネ・ソービニヨン、ピノ)のテイスティングを愉しみます。
その後、こじんまりした醸造所を見学。ピノは栽培も製造も非常に難しい品種で、良いワインを作るためには計算し尽くされた製造手順はもとより、作り手の強い情熱が不可欠だそうです。少しでも妥協すればたちまちクオリティが下がってしまう。
その後、こじんまりした醸造所を見学。ピノは栽培も製造も非常に難しい品種で、良いワインを作るためには計算し尽くされた製造手順はもとより、作り手の強い情熱が不可欠だそうです。少しでも妥協すればたちまちクオリティが下がってしまう。
「ポールの下で働く私たちは皆、彼のワインに対する情熱と誠実な人柄に惚れ込んでいるんです。」
と案内してくれた女性が話してくれました。
スーパー下戸の私は、ちょっぴりだけ口に含んでうがいをするみたいにワインを口内に沁みわたらせ、それからおもむろに吐き捨てる、という動作を繰り返しました。これが非常にウマかった。後で聞いたら、最後のカベルネは一本175ドル。ひえ~!
その後、やぎや羊の飼育とチーズの製造をしている小さな農園、Toluma
Farmを見学。若いスタッフ数人が楽しげに働いており、そのうちの一人クリスティは、この仕事に就く前はサクラメントのショッピングセンターで7年間、顧客サービスに従事していたとか。
「今の仕事のどんなところが好き?」
「毎日朝から晩まで動物達を相手にしてるでしょ。生まれたての赤ちゃんヤギの世話をしたりね。忙しいけど、人間関係から来るストレスが全然無いのよね。」
と答えてくれました。そして、こう結びます。
「とってもセラピューティックなのよ。」
Therapeutic とは、「セラピー」の形容詞。「癒される」という意味ですね。実はこの旅行のスタート時から、「Relaxing(リラックスさせる、くつろげる)」では表現しきれない独特の感覚を伝えられる言葉をずっと探していたのです。やっとみつかりました。
“It’s so therapeutic.”
「とっても癒されるのよ。」
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