2017年2月18日土曜日

Inundated イナンデイテッド

このところ、カリフォルニアは異例の大雨に見舞われ、各地で道路や家屋の浸水被害が報告されています。先日は、全米一の高さを誇るオロヴィルダムがまさかの越水、という未曽有の事態にまで発展。実は我が家も、寝室のカーペットがフレンチドアからの浸水でビチョビチョです。昨夜は、古いTシャツをドア下の隙間に詰めるという応急の洪水対策を講じて就寝しました。

さて、今週月曜は記念すべき日でした。我が社の新PMツールが、全米で一斉に使用開始されたのです。南カリフォルニアのエンドユーザー達は、質問があれば所属する支社のスーパーユーザー達に尋ね、彼等が答えられない場合は地域のスーパーユーザーである私にこれを上げる。私が答えられない場合は更にアメリカ・チームへ上げる、という段取りになっています。月曜、火曜は不気味なほど静かだったのですが、水曜日の朝から想定外の事態が急増し、各地のスーパーユーザー達からの質問は毎分一件くらいのペースに跳ね上がりました。既に通常業務で目一杯の私に、これはなかなかシビれる試練でした。

口頭、電話、Eメールに加え、今年に入って我が社が導入したシスコ社のジャバー(Jabber)というテキスト・ツールを通した質問が、一斉に襲い掛かって来ます。これを一件ずつ、丁寧に、そして確実に解決していく。圧倒的多数の敵を相手にカンフー技で奮闘するジャッキー・チェンさながらです。今回痛感したのが、ジャバーというツールの恐るべき破壊力でした。画面上、質問者の数がどんどん増えて行くのが見えるのです。ようやく一人倒しても、新たな敵が二人、三人、と加わっていく。このビジュアルから受ける心理的ダメージはなかなかのものでした。なんだか苦しいなあと思ってよくよく考えたら、暫く呼吸を止めていたなんてこともしばしば。

木曜の午後、給湯室へコーヒー補給に行き、大きな深呼吸をしていたら、同僚クリスティーがやって来ました。そしてこう尋ねたのです。

“Are you inundated with questions?”
「質問でinundatedになってる?」

これ、最近になって電話会議などで頻繁に聞くようになった英単語です。発音は「イナンデイテッド」ですが、最後のドはほぼ無音なので、「以南泥て?」みたいに聞こえます(アクセントは以南に)。ラテン語由来だそうで、undaが波、inundareで「波の中へ」となり、inundatが「洪水になって」という意味になるのだと。“Inundated with ○○で、何かに圧倒されている状態を指すのですね。

“Are you inundated with questions?”
「質問殺到してる?」


語感と語意が全く繋がらないパターンで、憶えにくいことこの上ないのですが、ここのところの大雨や洪水情報とも重なって、きっちり頭に刻まれました。

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