金曜の午後、久しぶりに同僚ステヴの席を訪ね、英語表現に関する質問をしました。
「何か気色悪い(disgustingな) 話を聞いた時、アメリカ人は皆 ew!(いう!)って言うでしょ。よく思うことなんだけど、英語って擬音語のバリエーションが少なくない?ew! の他に何かある?意味強めのやつとか。」
ew! (いう!)は「うえ!」くらいの意味だと理解していた私は、これよりずっと強烈な表現を探していたのですが、ステヴはその場で上を向いて固まってしまいました。
「確かに、ew! に代わる口語表現ってあまり無いねえ。Ack とかeepとかっていうのはあるけど、どちらも書き言葉だし。」
「でしょ。日本語には、うげっ!ぎょえ!うえッ!おえっ!とか、色々あるよ。これ、漫画の影響かも。」
「それはきっとそうだね。アメリカン・コミックスに出て来る効果音は活字の大きさや書体を変えることで変化を持たせてるけど、日本の漫画は独創的な表現が多いもんね。」
文化人類学の専門家で日本への留学経験もある彼は、こういうテーマに詳しいのです。話の流れから、ひとしきり漫画「北斗の拳」の話題で盛り上がる二人。結局、「英語の擬音表現バリエーションは貧弱」という一時的な結論で会話を打ち切ったのですが、翌日土曜日、ステヴからメールが届きます。
「昨日ローレン(奥さん)と話してたら、彼女が擬音表現をいっぱい知ってたよ。」
Grr
Eek
Eep
Ugh
Yikes
Woo-hoo
Wheeeee
Yay
Aww
Squee
Yuck
Ick
Hmmn
Uhhhhhhhhh
Whoops
Booo
Hisss
おお~!な~んだ、こんなにあるんじゃない。ステヴが忘れてただけですね。
実は、そもそもどうしてあんな質問をステヴにしたかと言うと、朝の電話会議でそういう表現が使われたからなんです。議題に入る前の軽いおしゃべりの最中、ヴァージニアから参加していたティファニーが、生まれたての赤ちゃんに自分のおっぱいを飲ませられない(アレルギーが原因らしい)ので地元の病院に寄付し始めた、という話をしたのです。これを聞いたベテランお母さんのセシリアが、
「クレイグズ・リスト(売ります買いますサイト)で売ればいいじゃない。」
と発言したので反射的に笑ったところ、これが真剣な提案だったのです。世の中にはおっぱいが出なくて困っているママが沢山いるのよ、と。だから実際、母乳マーケットが立派に成立しているのだと。
「でもね、どこかの記事で読んだんだけど、これを成人男性が買いつけるケースがあるのよ。」
ええ~っ!とぶったまげる私。
「よくよく聞いたらボディビルダーの間で、高品質のプロテインとして人気だっていうの。確かに牛のおっぱい飲むよりは身体に良さそう、って後から納得したの。」
ここで彼女が言ったのです。
「最初はew! って思ったんだけどね。」
この場合、「うえ!」程度の軽いリアクションじゃ済まないぞ、と思った私。
そこは最低でも「うげっ!」でしょ。
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