先日、学年集会のようなものがあり、その場にいる誰かを指さして「どれだけその人に感謝しているか」を皆に話す、というプログラムがあったそうです。生徒たちの多くは担任の先生を対象に話したようで、特に低所得層の家庭から来ている女の子たちは、先生にどれだけ助けてもらったかを強調したのだと。
「お母さんは忙しすぎて、私のことをほとんど気にかけてくれません。先生はまるで二人目のお母さんみたいに、いえ母親以上に、いつも真剣に私のことをサポートしてくれます。」
中には感極まって泣き出す子もいて、男子生徒たちは半ば白け気味に顔を見合わせていたのだそうです(この年齢の男子らしい)。その中で立ち上がったのは、既に涙目になっていた裕福な家庭の白人女子生徒。
「私はずっと、Self Acceptance (ありのままの自分を受け入れること)が出来ずに苦しんでいました。そんな時、先生は私を優しく見守ってくれて…。」
男子生徒たちは眉を顰めて目配せを交わし、
“Such a first world problem…”
と囁き合ったのだそうです。直訳すれば、
「ファースト・ワールドなお悩みだよな。」
First World Problemをネットで調べると、「裕福な人の贅沢なお悩み」と出ています。ファーストワールドって何だろう?と更に調べを進めたところ、これはそもそも冷戦時代に出現したカテゴリーだったそうです。
First World: アメリカをはじめとした西側諸国
Second World: ソビエトや中国などの共産国
Third World: その他の国々
だからそもそも経済的な強さ別に分けたものではなかったのですが、いつの間にかそこに裕福さの意味合いが加わってしまったみたい。私なりに訳すとすれば、
“First World Problem”
「勝ち組のお悩み」
ですね。
息子にこの言葉の使用例を尋ねたところ、友達の家でケーブル会社を替えたらWi-Fiのスピードが落ちたと不満たらたらだ、という話をしてくれました。なるほど、それは贅沢な不満だね。
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